粉ミルクを人肌にする理由は2つ|目安は38℃、人肌ミルクの作り方
赤ちゃんを迎えるとき、最初に調べることのひとつが「人肌のミルク」だと思います。粉ミルクの作り方は、調べればすぐ出てきます。でも、なぜ人肌なのかを説明しているところは、あまり多くありません。
ミルクの温度を手首の内側で確かめる方法まで知っていても、いざ作ってみると「これで合ってるのかな」と首をかしげてしまう。わたしも、そう感じていたひとりです。
この記事では、その理由と、少し熱くなってしまった・ちょっと冷めてしまった時の考え方をまとめました。実際の育児でわたしが迷った話も、あわせてお伝えします。
結論から
- 人肌にする理由は2つ。赤ちゃんを火傷させないためと、飲みやすい温度にするため
- 目安は38℃前後(お風呂より、少しぬるく感じるくらい)
- 1〜2℃程度のずれは、許容範囲
- 迷ったら少し冷ます方向で。冷めすぎたら湯煎で戻せます
ミルクの温度で迷うのは普通のこと
ミルク作りって、感覚頼り過ぎない?
「この温度で本当に大丈夫なのかな、、、」
粉ミルクを用意するとき、特に初めての育児だと、このように考えてしまう方は少なくないと思います。でも、いつまでも迷っているわけにはいきませんし、ミルク作りは手早く済ませたいのが本音ですよね。
お湯を注いで粉ミルクを溶かし、哺乳瓶を流水で冷やす。
手首の内側にミルクをたらして温度を確認して、「まだ少し熱いかも、、、」と思い、流水にあて直す。
それを繰り返すうちに、だんだんと温度の感覚がわからなくなってしまうのです。(実体験。笑)
「熱くはなくなったけど、冷たすぎ、、、?」と、湯煎して温め直したことも1度や2度ではありません。今ならもっとうまくやれそうな気はしますが、初めての育児ではあれが限界でした。
気付き:「温度の理由」を考えたことがなかったかも
なぜ人肌の温度を目指すのか。
あらためて考えてみると、わたしはこのことを理解できていませんでした。ネットで情報を集めると、判断しづらい言葉が並んでいることにも気づきます。
- 36〜40℃の範囲でミルクを作る
- 母乳は体温とほぼ同じ温度である
- 手首や腕の内側にたらし、少し温かい温度を目指す
数字の幅が意外とひろかったり、感覚頼りの言葉が多かったり。どれも間違ってはいないのですが、これだけでは判断できません。
「人肌の温度に何を求めているのか」「どんな状況を避けたいのか」
そこがはっきりすると、迷った時の判断を助けてくれます。
判断を助ける、ミルク温度を「人肌」にする2つの理由
理由は2つです。この2つを知っていると、実際に作っていて「熱いかも」「冷たいかも」と悩んだ時に、自分で判断できるようになります。
ミルクを「人肌に」する理由
- 赤ちゃんを火傷させないため
- 赤ちゃんが飲みやすい温度にするため
理由① 赤ちゃんを火傷させないため
もっとも重要な理由は、赤ちゃんの火傷リスクです。
粉ミルクの調乳では、殺菌のために70℃以上のお湯を使うことが、WHO・FAOと厚生労働省の調乳ガイドラインですすめられています(粉ミルクにまれに混入するサカザキ菌などへの対策です)。一度しっかり沸かしたお湯を使うのは、このためです。
Nicoriでは、100℃に近い温度で溶かしても大丈夫だとお伝えしています。
ガイドライン通り70℃以上のお湯を使うと、出来上がったミルクは大人でも火傷をする温度になっています。そのまま与えることはできないので、流水を哺乳瓶に当てて温度を下げるわけです。
つまりここでの目的は、「赤ちゃんを火傷させない」ことです。
理由② 赤ちゃんが飲みやすい温度にするため
もうひとつは、赤ちゃんが「飲みたい」と感じる温度にすることです。
熱々の哺乳瓶に流水を当てるとき、やりがちなのが冷やしすぎてしまうこと。熱すぎるミルクは避けるべきですが、反対に冷たすぎると、飲みが悪くなることがあります。
赤ちゃんが飲みやすいのは、母乳に近い温度——つまり体温と同じくらいだと言われています。これが「ミルクは人肌」と言われる理由のひとつです。
どのくらいが飲みやすいかは、赤ちゃんによって多少変わります。わが子の好きな温度を探していく、くらいの気持ちで大丈夫です。
何度くらいが目安?温度調節の考え方
ここからは、実際に何度くらいを目指せばいいのかを考えてみます。数字を覚えるよりも、具体的なイメージを持つほうが作りやすくなります。
大切なのは、さきほどの2つです。
- 赤ちゃんが火傷をしない温度
- 赤ちゃんが飲みやすい温度
ミルクの温度は「ぬるいお風呂」を目指す
目安は38℃前後です。
お風呂の湯船をためる時、だいたい39〜41℃くらいに設定しているお家が多いのではないでしょうか。それより少しだけぬるい、と感じる温度です。
ミルクを「いつものお風呂より少しぬるいかな」と感じる温度にしておけば、火傷のリスクはかなり避けられます。(※熱々のお風呂〔42〜43℃〕に普段から入っている方は、かなりぬるく感じると思います)
なぜ体温より少し高い38℃なのかというと、作ってから飲ませるまでに、ミルクは少しずつ冷めていくからです。飲んでいる途中にも温度は下がっていくので、1〜2℃下がっても飲みやすい状態を作ってあげます。
温度の確かめ方:数字よりも「具体的な感覚」で
実は、公的なガイドラインには「何℃にしなさい」という数字が書かれていません。
厚生労働省が掲載している調乳のガイドライン(FAO/WHO共同作成)で、授乳前の確認について書かれているのは、この方法です。
腕の内側に少量のミルクを垂らして、授乳に適した温度になっているか確認します。生暖かく感じ、熱くなければ大丈夫です。熱く感じた場合は、授乳前にもう少し冷まします。
数字ではなく、感覚で確かめる方法が書かれています。
この記事で言っている38℃という数字も、あくまで目安。
判断に使えるのは、普段から感じている温度との比較です。
- 手首にたらしたとき、いつものお風呂よりぬるいか、それとも熱いか
- お風呂のお湯よりも、むしろ水のように感じるか
正直な所、色々な捉え方ができると思います。
測る人の体温が高いか低いかでも、感じ方は変わるのが難しいところです。家族で「少し温かいくらいで作ってね」と言われても、まったく違う温度をイメージしてしまうかもしれません。
自分がいつも触れている温度と比べるのが、曖昧になりやすい判断を助けてくれます。
作ったミルクの温度が合格かどうか、赤ちゃんの飲み方を見て考えてみましょう。グビグビよく飲んでくれるのか、飲むのに時間がかかるのか。ミルクを作った時の感覚と照らし合わせていくと、コツが掴めてきます。
正解には「範囲」があるので柔軟に
簡単に言うと、38℃を目指したとして、1〜2℃程度のずれは許容範囲と考えて大丈夫。
ミルクの正解の温度を、一点に絞る必要はありません。例えば、「飲ませる瞬間は絶対に人肌の36℃」などとこだわってしまうと、一回いっかいのミルク作りに神経を使いすぎてしまいます。
季節、空調、哺乳瓶の種類。そういった違いで、ミルクの温度は変化してしまいます。ですが、だいたい38℃を目指していれば、自然と36〜40℃くらいには収まります。
この範囲の温度なら火傷もしないし、冷たくて飲まないということもあまりないと思います。生温い温度、と言われて迷ってしまうかもしれませんが、ガイドラインが数字を決めていないのも、こんな理由かもしれません。
その幅のなかで選んでいいんだと考えると、少し力が抜ける気がします。
「このくらいの範囲なら大丈夫かな」。そのような、いい具合の適当さが、育児には少なからず必要だと思います。笑
迷ったら、安心を優先していい
「ちょうどいい気もするけど、まだ熱いかな…」
どうしても判断に迷う時は、少し冷ます方向で考えましょう。いちばん避けたいのは、赤ちゃんが火傷をしてしまうことです。
自分の感覚にまだ自信が持てないうちは、安心を優先していいと思います。それで冷たくなりすぎたとしても、次から少しずつ調整していけば大丈夫です。
回数を重ねることで、自然と塩梅が掴めてくると思います。
完璧じゃなくていい、徐々に知っていく
ミルクを冷たくしすぎたら、湯煎をして温め直すことができます。
もしかしたら冷たすぎるかもしれない、というサインがあります。
- 飲むのを嫌がる
- 飲むスピードが極端に遅い
- 飲んでいる途中でむせてしまう
そういう時は、次から少し温かめに作るか、軽く湯煎してあげましょう。ミルク作りのためにお湯を沸かしたばかりだと思うので、それを使います。
湯煎の手順
お椀やサラダボウルにお湯を入れ、哺乳瓶を入れてゆっくり揺らしながら温めます。
少量のミルクなら、10秒から数十秒で温度が上がります。
もう一度、手首の内側で確かめれば安心です。
※温め直しに電子レンジを使ってはいけません。加熱にムラができて一部だけ熱くなり、赤ちゃんの口をやけどする可能性があるため、調乳のガイドラインでも避けるように書かれています。
飲むスピードがゆっくりなのは、その子の個性かもしれません。何をしても変わらない場合は、焦らず見守ってあげてください。
人肌温度の理由を使って、深夜のミルクを作ってみよう
人肌の温度についての考え方が、はじめよりもはっきりしたのではないでしょうか。
それをふまえて、深夜のミルク作りを、できるだけシンプルな手順にまとめてみます。家庭環境や状況によって、やり方は変わって大丈夫です。
お湯をしっかり沸かす
100℃に近いお湯で大丈夫です。火傷に気をつけて。
メーカーの手順にそって、粉ミルクを溶かす
粉の量、お湯の量は月齢によって変わります。定期的に確認してください。
哺乳瓶のフタをして、流水で冷ます
哺乳瓶の本体を、手で触れるくらいまで冷まします。
手首の内側にミルクを1〜2滴たらす
「熱っ」と感じたら、さらに流水へ。
哺乳瓶をタオルなどで拭いて、赤ちゃんへ
※冷ましすぎたと思ったら、湯煎して温め直して大丈夫です。
わたしは「お風呂としては少し物足りない」くらいの温度を目指していました。
「お風呂よりぬるい、でもなんだか温かい」。温度に対する感覚は、人それぞれしっくりくる言葉があると思います。回数を重ねて、見つけていけばいいと思います。
ミルク作りを楽にする選択
ミルク作りは感覚に頼りながら、毎日、何回も作らなければいけません。
その積み重なる負担を軽くしてくれるのが、ウォーターサーバーです。わたしも使っていたのですが、ワンタッチで同じ温度のお湯が出てくるのは、想像以上に助かりました。
できるだけ早く済ませたい、深夜のミルク作り。工程がシンプルになり、お湯や水の温度を判断する時間がいらなくなる。回数を重ねるほど、ありがたみを実感しました。
検討中の方がいたら、こちらもご覧ください。
まとめ
ミルクを「人肌」にする理由
- 赤ちゃんを火傷させないため
- 赤ちゃんが飲みやすい温度にするため
- ミルク温度の目安は38℃前後
- 1〜2℃程度のずれは、許容範囲
- 公的なガイドラインにも「何℃」という数字はない
数字や言葉に振り回されすぎず、赤ちゃんの様子を見ながら、自分の感覚を育てていきましょう。
深夜のミルク作りは特に、意識がぼーっとして、手元もおぼつかないことがあります。覚えておく行動を、できるだけシンプルにしておきましょう。
他にも、育児のちょっとした困りごとについて、知っておくと少し気持ちが軽くなるかもしれません。
- (「薄すぎたかも」と思った方はこちら → 粉ミルクを薄めすぎた!…大丈夫?慌てず確認したいこと)
- (「70℃より低かったかも」と思った方はこちら → 粉ミルクを70℃以下で作ってしまった。どうしたらいい?)
- (赤ちゃんの様子を見る関わり方について → 赤ちゃんの泣き方に種類はある?聞き分けより楽になる「観察」という関わり方)
夜の育児の悩みを解決する記事を、地図のようにまとめました。
→ 赤ちゃんとの夜を、すこし楽にする育児ガイド|準備・寝かしつけ・夜中のミルク・泣きの地図
参考にした資料
厚生労働省|乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(FAO/WHO共同作成)
確認日:2026年8月12日
*Nicori編集室
