「もしかして、ずっと薄いミルクを飲ませていたのかもしれない」

そう気づいて、この記事にたどり着いた方も、いるかもしれません。その瞬間から、これまでの授乳を何度も思い返しているのではないでしょうか。

成長に影響してしまったらどうしよう。取り返しのつかないことをしてしまったかも…。そんな不安がよぎるのは当然です。自分を責めてしまう気持ちもわかります。それが、どうにもコントロールできないことも。

ですが、まずは深呼吸をして、お子さんのことを見てみましょう。

目の前のお子さんがすやすや寝ていたり、夢中に手遊びをしているなら、焦らないでください。いつものように泣いているなら、スマホを置いて、抱っこしてあげても大丈夫です。

そのうえで、やはり心配ならこの先を読み進めてください。

どのくらい薄まっていたか、どのくらいの期間だったか。その状況は、ご家庭によってさまざまだと思います。

だからこそ、これからの行動を、一緒に考えるための手助けができればと思います。ひとつずつ、確認していきましょう。

まず、今日からできるふたつのこと

次のミルクから、表示どおりに作る

まずできるのは、次のミルクから、缶や箱に書かれた粉とお湯の量に戻すことです。

これまでを一度に取り返そうとして、濃く作る必要はありません。飲む量を急に増やすのでもなく、次の一回から、表示どおりに作ります。

ミルクの濃さが違うことで、ゲップの出かた・吐き戻しに違いがでるかもしれません。吐き戻しは赤ちゃんによくみられるものですが、違和感があれば、かかりつけの小児科などに相談してみましょう。

今回一度だけ薄くなった場合と、長く続いていたかもしれない場合では、知りたいことも違うと思います。一度の調乳について確認したい方は、こちらにまとめています。

(今回一度のことが気になっている方はこちら → 粉ミルクを薄めすぎた!…大丈夫?慌てず確認したいこと

お湯の温度や、粉ミルクを溶かす順番を改めて確認したい場合は、こちらも参考にしてください。

(調乳に使うお湯の理由はこちら → 粉ミルクはなぜ70℃以上? お湯を沸騰させる理由と、100℃との使い分け

目の前の子どもの様子を見る

もうひとつ大切なのは、目の前の子どもの様子を見ることです。

泣いたり、泣き止んだり、何かに夢中になったり、ぼーっとしたり。ミルクを欲しがったり、途中でやめたり。おしっこをしたり、うんちをしたり、寝たり、起きたり。

そんな、いつもの一日が続いているのなら、悪い想像をしすぎる必要はないと思います。

もちろん一般の親御さんの目で、身体への影響を全て判断することはできないかもしれません。それでも、焦る気持ちをいったんしまって、これからのお子さんをよく観察してあげてください。

病院に相談するか、迷ったら

お子さんの様子で、「普段と何かが違う」「どこかおかしい」と感じることがありますか?

呼吸が苦しそう、ぐったりしている、何度も吐く、けいれん、意識を失うような症状がある場合は、医療機関を受診してください。これは、こども家庭庁が受診を案内している症状です。

明らかな症状がなくても、将来への影響について考え続けてしまうなら、ひとりで悩むのをやめましょう。かかりつけの小児科や健診、地域の保健師へ相談しましょう。

ネットで調べても、もちろんこの記事でも、身体への影響を判断することはできません。だからこそ、ひとりで答えを探し続けるより、直に会って話ができる専門家に頼ってください。

事前に、分かる範囲で次のことを書き出しておくと、相談するときに迷いが減ると思います。

  • 使っていた粉ミルクの種類
  • 入れていた粉の量と、お湯の量
  • その作り方を続けていたと思う期間
  • 一度に、どのくらい飲んでいたか
  • 体調や飲み方で、普段と違うと感じること

相談するときは、お湯を多く入れていたのか、粉を少なく入れていたのかも、分かる範囲で伝えてください。そのふたつの違いが、状況を考える材料になります。無理せず、覚えている事実をそのまま伝えれば十分です。

分からないことは、「分からない」でかまいません。母子健康手帳も一緒に持っていけば、これまでの身長や体重の記録を見ながら話せます。

相談した先では、話を聞いてもらい、その子の様子に合った見方を一緒に考えてもらえます。ひとりで抱えていた心配を、いったん預けに行く。そのくらいの気持ちでよいのではないでしょうか。

成長曲線が低いのは、失敗の証拠じゃない

私も一人の親として、そして数人のまわりにいる子どもたちの姿をみてきて、そのうえで感じてきたことがあるので、言葉にさせてもらいます。

成長曲線の下のほうにいる。あるいは、帯から少し外れている。それを見ると、「薄いミルクを飲ませていたから、栄養が足りなかったのでは」と考えてしまうかもしれません。

けれども、私は、子どもの成長には個人差が大きくあるだろうと思っています。

まわりを見渡すと、大人にも、背が高くがっしりしている人や、華奢で背の低い人など、いろいろな体格の人がいます。

その二人の数値を合わせて平均を出したとして、平均から外れている二人は「あまり健全な成長とはいえませんね」となるでしょうか?

いいえ。たぶん、二人ともそれぞれが、「自分に適した健康な状態」なのではないでしょうか。

今のは極論です。でも、赤ちゃんにも、それぞれの成長のしかたがあると思います。すぐに大きくなる遺伝子なのか、ゆっくり大きくなる遺伝子なのか。おそらく皆さんも、自分自身や、今まで出会った友人たちの成長を振り返ると、思い当たることがあるのではないでしょうか。

私の娘も、何なら私自身も、私の妻も、他の子よりもすごくゆっくりと大きくなりました。

だからこそ私は、「その子なりの成長」を見守っていきたいと、より思うのかもしれません。

もちろん、どんな変化も心配しなくてよいという話ではありません。成長曲線を見なくてよい、という話でもありません。

ただ、成長曲線のひとつの点だけを見つめて、過去の失敗を後悔しないでほしいのです。その数字の手前には、これまで少しずつ大きくなってきた、ひとりの子どもの軌跡が記されているはずです。

これからの成長は、こう見ていく

母子健康手帳の成長曲線には、こんな問いが書かれています。

身長、体重は、曲線のカーブにそっていますか。

見るのは、帯の中にいるか、外にいるかだけではありません。これまでのカーブに沿っているか、身長と体重がどのように変わってきたかも、大切な判断材料です。点ではなく、線で考える。

成長曲線の位置と、これまでの沿い方。その両方を見ながら、気になる変化があれば、健診や小児科で確認できます。

もちろん、曲線だけですべてを決めるのでもありません。みなさんが今まで見てきた、いちばん大切な「線」は、お子さんが成長してきた姿です。

ミルクの飲み方、機嫌、排尿や排便など。そして、ゆっくりだとしても、大きくなる身体、しっかりしてきた手足、どんどん強くなる動作や声。そんな日々の姿を、私は、成長曲線の数字よりも先に見てほしいと思っています。

成長曲線も、その子の成長を見守るために使う、ひとつの手がかりでしかありません。

成長は、平均にどれだけ近いかだけで測るものではないと思います。目の前の子どもが描いてきた線を、これからもつないで見ていく。その見方も、覚えておいてください。

出典:こども家庭庁「母子健康手帳」

まとめ 気づいたあなたは、もう動き出している

私にも「あの時に戻れたら…」と、育児で後悔したことがたくさんあります。でも、気づいた今日からできることはあります。

  • 次のミルクから、表示どおりに作る
  • 目の前の子どもの、普段の様子を見る
  • 心配が残るなら、分かることを書き出して相談する

育児において、「一度も間違えないこと」は不可能だと思います。

大切なのは、間違いに気づくこと。目の前の子どもを見ること。ひとりで決められないことを相談すること。どれも、子どものこれからにつながる行動です。

もし、目の前のお子さんがじっとこちらを見て、笑ったり、手を伸ばしたりしているなら、今はそれに応えてあげれば大丈夫。

笑顔を思い出して、抱きしめてあげましょう。

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nicori-oyako
育児のしんどさも、じわっとくる楽しさも、どちらも知っている。その経験をもとに、深夜の調乳・夜泣き・眠れない夜に役立つ情報をまとめています。もっと、「育児が楽しい」と感じてもらいたくて。