80℃のお湯で粉ミルクを作っていい?|温度に迷わなくなる調乳の考え方
粉ミルクを溶かすお湯の温度で、悩んでしまうことはないですか?
70℃とか、80℃とか、なんなら「沸騰させた後に70℃以上のお湯を使う」とか、サイトによって色んな書き方がされています。わたし自身も、湯冷ましを温め直す時に「うっかり熱湯になっちゃった!冷まさなきゃかな…」と、一瞬手が止まってしまうことが何度もありました。
結論から言うと、「80℃を超えていること」がひとつの正解になります。
理由は、本文の中で順番にお話ししていきますね。
なぜ「80℃を超える」が安全なのか
公式ガイドラインの基準温度
世界保健機関(WHO)・国連食糧農業機関(FAO)のガイドライン
70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かすことを推奨
※日本の厚生労働省でも同じ基準を採用
70℃という数字は、粉ミルクにごくまれに混じる可能性のある菌を、しっかり殺菌できる温度です。
(この「菌の話」は過去の記事でもう少し解説しているので、気になる方はそちらをのぞいてみてください。)
粉ミルクを作る時に大切な「温度」とその理由|70℃と100℃は何のため?
70℃ぴったりで調乳する落とし穴
「じゃあ70℃のお湯で作れば大丈夫なんじゃないの?」という疑問が出てきますが、ここで少し気にしてほしいことが。
哺乳瓶に注いだ瞬間に、お湯の温度が下がってしまうことです。哺乳瓶や粉ミルク自体の温度が低かった場合、お湯の温度が5〜10℃ほど落ちてしまう可能性があります。
「70℃ぴったりのお湯」を使うと、ミルクが溶ける頃には60℃台まで落ちている可能性があるわけです。これだと、菌をしっかり殺菌できる温度に届きません。
なので、お湯の段階で80℃以上にしておく。注いだ瞬間に多少温度が下がっても、ミルクが溶ける時にはちゃんと70℃以上をキープできる。
これが「80℃を超える」が安心な理由です。
70℃というラインは「目安」ではなく「最低ライン」。ラインギリギリを狙うより、少し余裕を持たせておく方が、結果的に安心できます。寒い季節は特に温度が下がりやすいので、80℃以上を意識しておくと、温度の落差に振り回されずに済むでしょう。
沸騰直後のお湯で作っても大丈夫?
結論から言うと、沸騰直後のお湯で作っても問題ありません。
栄養素への影響は想定の範囲
熱すぎてビタミンなどの栄養素が壊れるのでは?——そんな心配の声もありますが、ここは安心しても良さそうです。
公式機関とメーカーの見解
▼食品安全委員会(内閣府)
粉ミルクは70℃以上のお湯で調乳することを前提に栄養設計されている。
加熱に弱いビタミンも、加熱の影響を考慮して配合されているため、栄養素の不足の心配はない。▼雪印ビーンスターク 公式
「ふっとうしたてのお湯や、80℃や90℃のお湯でも大丈夫」
このように、国の機関と粉ミルクメーカー両方で、「熱いお湯でも問題ない」と明示しています。他にも、いくつかのメーカーで同じような記載を確認できますので、気になる方は調べてみてください。
「うっかり熱湯」の時も、そのままで大丈夫
湯冷ましを温め直していて、うっかり熱々になってしまった時。冷ますのを待つ必要はありません。そのまま粉ミルクに注いで作って大丈夫です。
冷ますのは、最後に赤ちゃんに飲ませる前——人肌(40℃前後)まで——の段階だけ気にすれば十分です。
80℃と赤ちゃんの月齢の関係
月齢を問わず「70℃以上」が基本のガイドライン
WHOガイドラインの適用対象
1歳になるまでの粉ミルク調乳に適用
※月齢で段階的に下げる規定はなし
ここまで「80℃以上が安心」という話をしてきましたが、基本のガイドラインに書いてある1歳までの期間は継続するのが良いでしょう。
医学的なリスクの強さでいうと、生後2ヶ月までの赤ちゃんが最も慎重さを必要とする時期だとWHOが報告しています。この時期は赤ちゃんの免疫機能がまだ未熟なため、菌に対する抵抗力が弱いと言われています。
月齢が進むと、赤ちゃんは日常に存在する菌と触れるようになります。お散歩で公園にでたり、離乳食が始まったり、いろんな人に抱っこされたりーーそんな日々の中で徐々に、身体は免疫機能を高めていきます。
離乳食の完了やフォローアップミルクへの移行などで変わることはありますが、乳幼児ミルクを与える場合は、1歳になるまではガイドラインに則って上げるようにしましょう。
ミルク量が増えたら、湯冷ましを活用
新生児〜生後2ヶ月くらいのミルク量だと、熱々のミルクでも人肌まで冷ますのにさほど時間はかかりません。(感覚に個人差はあると思いますが)
それ以降、ミルクの量が増えてくると、メーカーの公式の調乳方法でも案内されているように、清潔な湯冷ましを使った温度調節の方が効率的に感じてくると思います。
我が家では、温度調節機能のついた細口の電気ポットと、湯冷まし用ボトル(1.2L程度)を用意して調乳していました。
湯冷ましは朝などにたっぷり沸かしておけば、その日のうちは利用可能です。
ただし作ってから24時間以内に使い切る/入れ替えるようにしましょう。
水道水を利用するのであれば、10分以上の煮沸が必要だと言われています。
湯冷ましである程度温度を下げたら、流水などにあてて温度の微調整をしましょう。
水の選び方と、ミルクの利用期限の話
水の種類と使い方の違い
水道水、ペットボトルの天然水、飲用純水(乳幼児用ペットボトル、RO水)など、家庭で利用できる水にはいくつか種類があります。
水道水を使う場合には10分以上の煮沸が必要です。
ペットボトルの天然水(加熱殺菌済みの軟水)は、開封直後はそのまま使えますが、開けしめを繰り返す場合は、念のため煮沸をしておくと安心です。
また、ペットボトルの天然水を選ぶ場合は、必ず軟水(硬度100mg/L以下)を選びましょう。硬水は赤ちゃんの腎臓に負担がかかります。
乳幼児用ペットボトル(純水)や、一部のウォーターサーバーで使われるRO水は、不純物などが除去されており、加熱殺菌もされているので、清潔な状態であれば煮沸をする必要はありません。
コストは少し掛かりますが、時短や手軽さを優先したい方は、利用することをおすすめします。
作ったミルクは2時間以内に
WHOガイドライン
調乳後のミルクは2時間以内に飲ませる
正しく調乳したミルクでも、2時間以上経過したものは安全性が保てません。また、一度口を付けて残したミルクも、菌が増殖している可能性があるため、飲ませず廃棄しましょう。もったいないと感じるかもしれませんが、赤ちゃんの健康のための選択です。
調乳を楽にする選択肢
お湯がいま何度くらいか、頭の中で予想しながら作るのは地味に疲れます。
温度を勘で扱うのに疲れてきたら、温度が「見える」道具に頼るのもひとつの選択肢です。
温度調節機能つきの電気ポット
わたしも最初は、温度調節機能のついた電気ポットを使っていました。注ぎ口が細くなっているタイプで、お湯を狙ったところに注ぎやすくて便利でした。
沸騰させてから、表示の温度を見ながら使う——これだけでも、調乳の不安は大きく減ります。
ウォーターサーバーという選択肢
ある時期からウォーターサーバーに切り替えました。80〜90℃のお湯がワンタッチで出るので、毎回の沸騰の管理から解放されて、調乳がぐっと楽になりました。
一般的に80〜90℃に設定されている
=「80℃以上」の安全マージンを自動的に確保できる
夜中の眠い頭でも、温度を考えずにボタンを押すだけでお湯が出る——これは想像以上に大きな違いでした。
赤ちゃんが小さいうちの数ヶ月だけ、無料お試しを使ってみる、という選択肢もあります。ずっと続ける必要はないので、「夜の調乳が一番きつい時期」を乗り切る道具として考えるのもいいかもしれません。
※ここに収益CTA(ウォーターサーバーのアフmィリエイトリンク)を後で挿入
まとめ
色々な数字が飛び交い、混乱してしまう
粉ミルクのお湯の温度について整理してきました。
ガイドラインのボーダー、70℃以上をクリアするためには——
「80℃以上のお湯」を使うようにしていれば、まず大丈夫。
もっと余裕を持ちたい方は、
沸騰直後のお湯でも問題ない、ということを覚えておきましょう。
(熱湯ですので、やけどにはじゅうぶん気をつけてくださいね)
もしここで解消しきれない悩みや、漠然とした不安があれば、
メーカーのお客様相談室へ問い合わせるのもひとつの方法です。
育児での小さな不安は、重なりすぎる前に
誰かに相談してくださいね。
赤ちゃんとの毎日が、少しでも楽しくなりますように。