粉ミルクを濃く作ってしまった!飲ませた後に見ることと、次のミルク
「あれ、粉の量、間違えたかも…。」「もう飲ませちゃった」
ミルクを作りながら、あるいは飲ませたあとで、そう気づいた方もいると思います。
1回のことで、赤ちゃんがいつもどおりなら、まずは落ち着いて様子を見ましょう。次のミルクは、いつもどおりの濃さで作れば大丈夫です。
わたしも、スプーンで数えているうちに、何杯入れたか、わからなくなったことが何度もあります。この記事では、飲ませたあとに見ておきたいことと、濃さを間違えにくくする工夫をまとめました。
この記事でわかること
- 濃いミルクを1回飲ませてしまった時の考え方
- 飲ませたあとに見ることと、次のミルクの作り方
- 濃いミルクが、赤ちゃんの体に負担になる理由
- 濃さを間違えにくくする工夫
濃く作ってしまった。1回なら、まずは様子を見る
もう飲ませてしまった時
粉ミルクメーカーの相談窓口のサイトにも、同じような相談と答えが載っています。生後1か月の赤ちゃんに、粉を2さじ多く入れたミルクを1回飲ませてしまった、という相談です。
答えの中には、1回のことなので様子を見て、いつもと違う様子があれば小児科へ、とありました。
ただ、この答えは「2さじ多い・1回」の時のものです。次のような時は、様子を見るだけで抱え込まず、相談してみてください。
- 濃さの差が大きかった(入れた杯数が倍だったなど)
- 赤ちゃんが生後まもない
- 濃いミルクをたくさん飲んだ
- どうしても気になる
相談先は、このあとにまとめています。
飲ませる前・途中で気づいた時
飲ませる前に気づいたなら、そのミルクは作り直すのが確実です。何杯多く入れたかが確かでないと、お湯を足して直そうにも、足す量が決められないためです。
もったいない…と感じながらも、新しく作り直したことがわたしにもありました。迷ったら、安心を優先して大丈夫です。
飲ませている途中で気づいた時も、残りは薄めずに、新しいミルクに替えます。すでに飲んだ分は、次の章のとおり、いつもと変わらないかを見てください。
飲ませたあとに見ることと、次のミルク
いつもと変わらなければ、次はいつもの濃さで
まずは、下痢や便秘、吐くといった様子がないか、いつもと変わらないかを見てみましょう。
いつもどおりなら、次のミルクは、缶に書かれた量で作ります。
下痢・便秘・吐くなど、気になる様子がある時は小児科へ
下痢や便秘、吐くなど、気になる様子がある時は、小児科を受診してください。海外の公的な医療機関も、粉が多すぎるミルクは、便秘や脱水につながることがあると案内しています。
夜間や休日で、受診したほうがいいか迷う時は、子ども医療電話相談(#8000)に電話できます。受付時間は都道府県によって違うので、一度調べておくと安心です。
次のような時は、電話相談を待たずに119番で救急車を呼んでください。消防庁の救急車利用ガイドが、子どもについて「すぐに119番」としている目安の一部です。
- 呼吸が苦しそう、呼吸が弱い
- くちびるが紫色、顔色が明らかに悪い
- 吐くのが止まらない
- 呼びかけても反応がない、もうろうとしている
- 生まれて3か月未満で、様子がおかしい
- そのほか、親から見て、いつもと違う・様子がおかしい
次のミルクで、帳尻を合わせなくていい
濃かった分の帳尻を合わせようと、次のミルクを薄めたくなるかもしれません。でも、次のミルクは、いつもどおりの濃さで作るのが正解です。
メーカーも、自分の判断でミルクを薄めたり濃くしたりしないよう案内しています。薄めすぎると、今度は栄養が足りなくなる心配が出てきます。
次のミルクを薄めたり、水分を足したりと、飲ませ方を変えたくなった時は、先に相談窓口に聞いてみると安心です。
薄くなってしまった時のことは、こちらで詳しくお話ししています。
迷う時は、メーカーの相談窓口へ
赤ちゃんの体調ではなく、ミルクの濃さや作り方のことを聞きたい時は、粉ミルクメーカーの相談窓口が使えます。
| ミルクの銘柄(メーカー) | 相談窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| ほほえみ など(明治) | 明治 赤ちゃん相談室 | 0120-035-553 | 月〜金 10:00〜15:00(毎月第3火曜・土日祝・メーデー・年末年始を除く) |
| はぐくみ・E赤ちゃん など(森永乳業) | エンゼル110番 | 0800-5555-110 | 月〜金 10:00〜14:00(土日祝・年末年始を除く) |
| ぴゅあ など(雪印メグミルク) | お客様センター | 0120-301-369 | 9:00〜17:00(年中無休) |
| すこやか など(雪印ビーンスターク) | お客様センター | 0120-241-537 | 9:00〜17:00(土日祝・年末年始を除く) |
※受付時間は変わることがあります。おかけになる前に、各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
どの窓口も、受付は日中です。夜に赤ちゃんの体調が気になる時は、先ほどの#8000へ。
ちょっと寄り道
新生児との毎日の関わり方も書いています。
濃いミルクが、赤ちゃんの体に負担になる理由
なぜ、ミルクの濃さがそんなに大事なのか。理由を知っておくと、次からのミルク作りで迷いにくくなります。
粉ミルクは「決まった濃さ」で作られている
粉ミルクは、粉を正確に量り、決められた量のお湯で溶かした時に、母乳と同じエネルギーになるように作られています。濃すぎても薄すぎても、赤ちゃんに負担をかけたり、発育に影響が出たりすることがあります。
厚生労働省が掲載している、FAO/WHO(国連食糧農業機関・世界保健機関)の調乳のガイドラインでも、粉を正確に量ることが案内されています。
水分が足りない分、腎臓やおなかに負担がかかる
濃いミルクは、粉に対して水分が少ない状態です。水が少なすぎると、赤ちゃんの腎臓やおなか(消化器)に負担がかかり、脱水につながることがあります。
赤ちゃんの腎臓は、まだ発達の途中です。尿を濃くする力は、生まれたばかりのころは大人の6割ほどで、離乳期にかけて育っていきます。
なので、ミルクは缶に書かれた濃さで作ります。次のミルクをいつもどおりに戻すのも、このためです。
気をつけたいのは「1回」より「続くこと」
濃いミルクが原因で、赤ちゃんが重い脱水になった例が、海外の医学論文で報告されています。
報告されているのは、便秘を和らげようとミルクを濃くしていたケースと、スプーンの大きさを取り違えたケースです。論文は、便秘のためにミルクを濃くするのは、新生児や生後まもない赤ちゃんには危ない、とまとめています。
便秘のために濃くするのは、たまたまの1回ではなく、意図して行うやり方です。スプーンの大きさを取り違えていると、気づくまで毎回同じように濃くなります。
便秘や飲む量が気になって、ミルクを濃くしたくなる時も、濃さは変えずに、かかりつけの医療機関に相談しましょう。
何日も濃いまま作っていたと、あとから気づくこともあるかもしれません。その時は、いつから・どのくらい濃かったかを、かかりつけの小児科に伝えて相談してみてください。
濃かったことに気づいた今は、次のミルクから、いつもの濃さに戻せます。そうすれば、濃い状態が続くことはありません。
濃さを間違えにくくするために
はじめのほうで取り上げた、粉を2さじ多く入れてしまった相談は、赤ちゃんがいつもより早く泣きだして、急いでミルクを作った時のことでした。相談窓口の答えにも、泣きだすと慌ててしまい、何さじ入れたかわからなくなることもある、と書かれています。
慌てている時や、いつもと違うミルクを使う時でも、濃さを間違えにくくする工夫があります。
スプーンの大きさは、ミルクによって違う
粉ミルクのスプーンは、ミルクの種類やメーカーによって大きさが違うことがあり、同じさじ数でも、何ml分のミルクになるかが変わります。
粉を量る時は、その缶に入っているスプーンを使います。缶を別の種類に変えた時や、実家や預け先で別のミルクを使う時は、缶に書かれた量を一度確かめてみてください。
数えなくていい形にしておく
数えている途中で、わからなくなる。そんな時のために、数えなくていい形にしておくのも、ひとつの方法です。
メーカーの相談窓口では、1回分の粉をあらかじめ量って、専用の容器に入れておく方法を紹介しています。間違えやすい夜間の授乳分だけでも、あらかじめ分けておくと、眠い中で、何杯入れたかを考えずに済みます。
1本で100ml分になる、スティックタイプの粉ミルクもあります。キューブタイプの粉ミルクは、1個で何ml分になるかが決まっているので、いくつ入れたかを一目で確かめられます。
毎回間違えないように気を張るより、間違えにくい形にしておく。考えることがひとつ減ると、そのぶん、赤ちゃんの様子を見る余裕が生まれます。誰が作っても同じ濃さになる形にしておけば、家族と交代する時も、お互いに迷いにくくなります。
まとめ
濃く作ってしまったミルクのこと、どう考えればいいか、見えてきたでしょうか。
- 1回のことで、赤ちゃんがいつもどおりなら、まずは様子を見る
- 飲ませる前や、飲ませている途中で気づいたら、作り直す
- 次のミルクは、いつもどおりの濃さで作る(薄めて帳尻を合わせなくていい)
- 下痢や便秘、吐くなど、気になる時は小児科を受診する(夜間・休日に迷ったら#8000)
- 濃さを間違えにくいよう、数えなくていい形にしておく
気づいた今、次にできることは、はっきりしています。次の1本を、いつもの濃さで。そこからまた、いつものミルクの時間が続いていきます。
ミルク作りの、ほかの場面のことも記事にしています。よければ、あわせて読んでみてください。
お湯の温度を間違えてしまった時の考え方は、こちらでお話ししています。
外出先でキューブや液体ミルクを使う時のことは、こちらにまとめています。
夜の育児の悩みを、地図のようにまとめたガイドもあります。
情報の確認に用いた参考資料
- 森永乳業 エンゼル110番「調乳を間違えて濃いミルクを飲ませてしまった」(1回飲ませた時の考え方・受診の目安・スプーンの容量の違い・小分けの工夫)
- 明治 ほほえみクラブ「ミルクの濃さは?」(決められた濃さの意味)
- 明治 ほほえみクラブ「わかりやすい粉ミルクの作り方」(自己判断で濃さを変えないこと・キューブタイプの量)
- 明治「ほほえみ 粉ミルクの使い方」(缶に入っているスプーンでの計量)
- 森永乳業 はぐくみ「新生児のミルクの作り方」(便秘などが気になる時に、自己判断で濃さを変えないこと)
- 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」について(粉の正確な計量)
- CDC「Infant Formula Preparation and Storage」(水の量が多すぎる・少なすぎる時の影響)
- NHS「How to make up baby formula」(粉が多すぎる時の便秘・脱水)
- Leung C, et al.「Hypernatremic dehydration due to concentrated infant formula: report of two cases」Pediatr Neonatol(2009年)(濃いミルクによる脱水の症例報告)
- 森本哲司「腎機能の生後発達」日本小児腎臓病学会雑誌 26巻1号(2013年)(尿を濃くする力の発達)
- 消防庁「救急車利用ガイド」(5ページ「こども(15歳以下)」の、すぐに119番の目安)
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」(子ども医療電話相談の案内)
