新生児をどこまで構う? 静かに起きている時は、そっとしていい
新生児の赤ちゃんをお世話していて、泣きやまなくて悩んでいる方は多いと思います。
ですが反対に、泣かずに静かにしている時にどうしたらいいか迷っていたりしませんか?
「話しかけたり、抱っこをしたりしたほうがいいのかな?」
こたえの一つとしてお渡しすると、必要なお世話ができていて、穏やかに過ごしているなら、そっとしておいて大丈夫です。起きている時間の全部を、相手をして過ごす必要はありません。
その時間は、自分のために使いましょう。食事をとったり、休んだり、たまっている用事を片づけたり。たまに赤ちゃんの様子を確認しながら、自分の生活を進めていきましょう。
この記事では、赤ちゃんが静かに過ごしている時に確かめておくことと、その合間を自分のために使う工夫、家事が途中になっても気持ちを切り替える考え方をお話しします。
静かに起きている時は、そっとしていい
赤ちゃんには「一人遊び」をする時間があります。生後何ヶ月かになり、ぬいぐるみやおもちゃに夢中になる姿を思い浮かべるかもしれませんが、新生児にも「一人遊び」といえるような時間があります。
視界に映るものをじっと見たり、手足をもぞもぞ動かしたり。そういう感覚の変化を、新生児の赤ちゃんはひとりで学んでいる最中なのかもしれません。
誰かと関わることは赤ちゃんにとって体力を使うもので、一度に長く関わり続けないほうがいい場合もあります。起きているからといって延々と構い続けるのではなく、穏やかにしているなら、そっとしておく時間もつくりましょう。
ただ、そっとしておくといっても、完全に目を離して過ごすということではありません。自分の用事をしながらも、時々、赤ちゃんの様子を確かめます。泣き声が聞こえるなど、必要な時にはすぐにそばへ行けるようにしておきます。
お風呂などで、少しの間そばを離れるのが不安な時の考え方は、こちらでお話ししています。
そっとしておける時間は、自分のために使う
食事が途中になっていたり、洗濯物がたまっていたり、返したい連絡があったり。赤ちゃんとの暮らしでは、自分の用事をいったん置いてお世話に向かう場面が何度もあります。むしろ、何かを完璧にこなせることはない、と思っておいたほうがいいくらいです。笑
赤ちゃんがひとりで静かにしている時には、その時間を利用してたまっている用事に取り掛かってください。趣味などに時間を使うのもいいと思います。
「その時間にできること」の中には、休息も入っています。身体を休めてもいいし、食事などでエネルギー補給をしておくのもいいでしょう。俗に言う黄昏泣き(たそがれなき)や夜泣きで、いつ余裕がなくなるか分かりません。家事など「やるべきこと」だけの時間にせず、その時の自分の「やりたいこと」も選ぶようにしましょう。
離れる前に確かめておくこと
自分の用事に入る前に、寝かせている場所と、お世話の見通しを確認します。
寝かせている場所は、そのまま眠ってもいいようにしておきます。硬めの平らな布団やマットレスを使い、あおむけに寝かせます。顔を覆うおそれのあるぬいぐるみやタオル、掛け布団は置きません。寒さは着るものや空調で調整します。
前の授乳からどれくらい経っているかも確かめます。母乳やミルクの時間が近ければ、そのつもりで予定を考えます。
泣いていなくても、口を動かしたり、指を吸ったりと、空腹のサインが先に出ることがあります。泣き声だけを合図にせず、時間と仕草の両方を観察してください。授乳の間隔について専門家から個別に案内を受けている場合は、その指示を守るようにしましょう。
おむつや室温も確かめておきます。そうしておけば、「ミルクの時間までそっとしておこうかな」と、自分の時間の使い方を考えやすくなります。
眠たそうにしたら、寝床へ移動する
穏やかに目を開けているなら、そのままそっとしておきます。あくびをしたり、うとうと目を閉じたりし始めたら、休ませる準備をします。抱っこしているなら寝床へ、すでに寝床にいるなら、静かに過ごせるようにします。
眠っている間、ずっと見ている必要はありません。家事や作業の合間に時々、様子を確かめにいけば十分です。
バウンサーやベビーカーで寝入ってしまうこともあります。その時は、平らな寝床へ移してあげましょう。大きく傾いた姿勢が続くと、あごが胸に近づいて息がしにくくなることがあるからです。普段の抱っこやおでかけの時まで気にしなくて大丈夫ですが、うつぶせになっていないか、顔にかかるものがないかを、しっかりと確認しておきましょう。
声がしたら、様子をみにいく
呼ぶような声がしたら、作業の手をいったん止めて、赤ちゃんのところへ。本当にこちらを呼んでいるかは分からなくても、姿を見て様子を確認します。
ぐずったり、泣いたりしていたら、近づいて声をかけてあげましょう。授乳が必要なのか、おむつが気持ち悪いのか、抱っこをしてほしいのか。泣き声を前にすると、必要なお世話が何なのか悩んでしまうかもしれませんが、顔や身体の様子を観察して考えていきましょう。
いつもより母乳やミルクを飲まない、熱があって元気がないなど、具合が悪そうな時は、静かでもそのままにせず、速やかに医師の診察を受けてください。
泣き方の聞き分けに迷う時の考え方は、こちらでお話ししています。
家事を一度に終わらせようとしなくていい
家事の途中で呼ばれると、「また終わらなかった」と感じてしまうことでしょう。ひとつの作業を最後までやり遂げると、すっきりします。けれど、新生児との生活の中でその満足感を求めようとすると、どうしても苦しくなってしまいます。
ゲームを進めるように、少しずつの達成を楽しむ
「できない時間があるのは当たり前」。そう考えたうえで、できる時間に、できることを少しずつこなしていく。大切にしてほしいのは、全部を一度に終えることよりも、少しずつ進めることに意味を感じて、自分を褒めてあげることです。
たとえば、洗濯物をたたんでいる途中で、赤ちゃんの声が聞こえた。一度手を止めたとしても、次のスキマ時間に取り掛かる。段階的に達成していくことを、ゲームのように楽しむのもありだと思います。
「赤ちゃんのお世話」という、大きなミッションの最中
全てが片づかなかったとしても、それでいいんです。「全部はできなかった」とガッカリするのではなく、少しでもできたことに目を向ける。あなたは赤ちゃんのお世話をするという、とても大きなミッションの最中です。それ以外が途中でも、すでに素晴らしいことをしているんです。
どうしても残念な気持ちになってしまうなら、「家事は中断するのが前提」と考え方を変えてみてください。段々と、赤ちゃんに呼ばれた時にも気持ちを切り替えやすくなるかもしれません。
「育児」と「自分」のバランスを取る
こちらの用事を終わらせるために、赤ちゃんをひとりで長く過ごせるよう練習させる必要もありません。泣いたり、求められたりしたら応える。その合間に、自分も休んだり、用事を進めたりする。
静かにしている時は、そっとしておく。声が聞こえたら、そばへ行く。今できることを少しずつ重ねながら、自分のための時間と育児のバランスを取っていきましょう。
赤ちゃんと過ごす時間に、こちらもどうぞ
情報の確認に用いた参考資料
- NHS Understanding your baby(関わることは赤ちゃんの体力を使うこと/眠気・ぐずりに応じた対応)
- NHS Bottle feeding your baby(泣く前の空腹のサイン)
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」(寝床・姿勢・掛け布団等の扱い)
- こども家庭庁・母子健康手帳「新生児」(具合が悪い時の受診。2ページ)
- 製品安全協会 SG基準改正(乳幼児用揺動シート)(2024年6月1日・寝ついたら睡眠用の製品へ移す)
- 米国小児科学会(AAP)A Parent’s Guide to Safe Sleep(10度を超える傾斜は睡眠に適さない/寝入ったら平らな面へ)
