子どもに渡せる、宝物の話をします。

自己肯定感。
安心感。
親子の絆。

これらは目に見えません。でも、子どもが前向きに生きていくための土台になる、大切な宝物です。

こう書くと、精神論のように聞こえるかもしれません。
なのでこの記事では、「心がけ」ではなく、今日から真似できる具体的な行動としてお伝えします。

わたしは1児の父で、このNicori編集室の編集長をしています。
娘と過ごす中で、自分なりに続けてきた決め事がいくつかありました。
その中でも特に意識していたふたつを話の軸に、3つの宝物の渡し方を書いていきます。

子どもに渡せる「3つの宝物」とは

自己肯定感

「自分はここにいていいんだ」と思える感覚です。

この感覚が心にあると、自立心が芽生え、色々なことに挑戦する勇気が湧いてきます。
そして、自信を持って自分を表現できるようになっていきます。

簡単に言うと、無いより有った方が「前向きに楽しく」過ごせます。
これは子どもに限ったことではなく、おとなも同様なので、想像しやすいと思います。

声のかけ方をひとつ変えただけで、子どもの反応がパッと変わることもあります。
ただ、この感覚が子どもの中にしっかり定着するまでには、安心感よりも時間がかかる印象があります。

安心感

「見守ってくれる人がいるから、大丈夫」と感じられる感覚です。

産まれたばかりの赤ちゃんにとって、世界は分からないことだらけです。
助けてもらえないと生きていけないので、泣きます。
そして、泣いた時に誰かが応えてくれる。
それを繰り返し実感することで、安心感は積み重なっていくのだと思います。

「この世界は安心して良いんだよ」と教えてあげること。
それが一番最初の育児だと、わたしは考えています。

3つの中では、安心感が一番早く結果に出ます。
抱っこすると泣き止むようになる、といった変化なら、数日から数週間で感じられることもあります。

親子の絆

親と子ども、お互いに向けられる信頼の力です。

絆は、ある日突然できあがるものではありません。
笑顔を向けた数、応えた数と一緒に、少しずつ積み重なっていくものです。

そして絆は、3つの中で一番、長い時間をかけて育つ宝物です。
本当の意味で築き上げられるには、何年もかかるのではないでしょうか。
だからこそ、日々の小さな積み重ねが、そのまま絆の形になっていきます。

どれかを主役にしない。3つでひとつの三角形

「3つのうち、どれが一番大事ですか?」
そう聞かれたら、わたしの答えは決まっています。

選ばなくて大丈夫です。
3つの宝物は同列で、3つそろって主役だからです。

安心感があるから、子どもは色々なことに挑戦できて、自己肯定感が育ちます。
応えてくれる人への信頼が、絆になります。
絆があるから、子どもにとって世界は、もっと安心できる場所になります。

3つはこうして、お互いを引っ張り上げながら育っていきます。
この三角形がバランスを取りながら大きくなることで、子どもの中で強く輝く宝物になっていく。
それがわたしの持論です。

そして親にとって嬉しいのは、この三角形の性質です。
ひとつの行動が、3つを同時に育ててくれます。

たとえば、呼ばれてすぐに振り向く。
たったこれだけの行動で、「応えてもらえた」という安心感と、「受け止めてもらえた」という自己肯定感が積まれていきます。
そして、安心や喜びをいつもくれる人には、子どもからの信頼が自然とたまっていく。
それが絆に繋がっていくと、わたしは感じています。

なので、「どれから頑張ろう」と難しく考えなくても大丈夫です。
目の前のひとつの行動から始めることが、そのまま3つの宝物を贈ることになります。

わたしが取り組んだ、ふたつのルール

「子どものための行動」を続けることには、自分自身を抑える側面もあります。
育児に取り組んでいる方なら、感じたことがあると思います。
では、その「ひとつの行動」を、どのように続けたらいいのか。

わたしには、明確に「自分へのルール」として決めていたことがあります。

気合いや愛情パワーで乗り切ろうとすると、疲れが溜まった時にブレやすくなります。
でも、再現性のあるシンプルなルールにしておけば、行動を続けやすくなります。

ルール① 娘に向けるのは、笑顔と明るい声

娘に近づく時、顔を見せる時は、絶対に笑顔と明るい声でコミュニケーションをとる。
これを、ひとつ目のルールにしました。

向けた笑顔の数が、そのまま愛情として子どもに伝わっていく。
人の心は、そういうふうにできていると感じています。

なので反対に、機嫌の悪い表情や態度は見せないと決めました。

もちろん、胸の中に苛立ちや疲れがある日はあります。
でもそれは、仕事や日常生活の疲れであり、娘のせいではありません。
だから娘と接する場面では「無かったこと」にして、笑顔のルールに意識を向けることにしていました。

つくり笑顔でいいの?と思われるかもしれません。
表面上でいいんです。
こちらの事情がどうであれ、娘が受け取る笑顔は、いつも本物だからです。

ルール② 「待って」と言わない。先に受け止める

娘が少し大きくなって、自分から意思表示ができるようになってからの、ふたつ目のルールです。

呼ばれた時、何かを伝えようとしてくれた時。
どんなに忙しいタイミングでも、「待って」とはすぐに言わない。

まず、すぐに返事をして、笑顔で振り向く。
そうすることで、「呼びかけてくれてありがとう!うれしい!」というわたしの気持ちが、子どもに伝わります。
その上で話を聞く。
どうしても手が離せない時は、その後に「いま食器洗ってるから、終わったらしようね」と伝える。

断っているように見えて、順番がまったく違います。
「待って」が先に来ると、子どもには拒否として届きます。
受け止めるのが先に来ると、同じ言葉が約束に変わります。

そんな毎日を続けていた、ある頃からです。
こちらが何も言わなくても、娘の方から先に、こう言ってくれるようになりました。

「それが終わったら、〇〇してー」

確か、おしゃべりが上手になってきた4歳前後のころでしょうか。

娘の中に「この人は必ず応えてくれる」という安心感が積もった、その結果の行動でした。
同時に、「洗い物を頑張ってるとうさんを待ってあげよう」という娘の思いやりを感じた瞬間でもありました。

安心感が、絆に育った。
三角形が、娘の中で輝き始めた。
わたしにとって、忘れられない思い出のひとつです。

「打算的でいい」と言わせてもらいます

読みながら、薄々感じていた方もいるかもしれません。
このルールには、多少打算的な部分があります。

ですが、育児というのは毎日続きます。
湧き出る愛情だけで乗り切れるほど、単純なものではありません。

疲れて何もしたくない日も、自分のことを優先したい日もありました。

そんな時、わたしはこう考えて乗り越えてきました。
「この行動は、子どもの未来にいい影響がある。だから、やる」。

「今のひとつの行動で、子どもの将来の幸せポイントゲット」。
そのくらい割り切った、ゲームのような感覚で、普段から過ごしていました。

「そんな打算で動くなんて、心からの愛情じゃない」。
そう感じる方も、いるかもしれません。

でも、わたしは逆だと思っています。

「愛情から自然に行動できない自分は、親として何か欠けているんじゃないか」。
もし、そんなふうに自分を責めている方がいたら、伝えたいです。

愛情を実感できないほど疲れた日に、それでも子どものための行動を選べる人は、すごい人です。

笑顔に気持ちが追いつかない日があっても、あなたの笑顔はちゃんとお子さんの中に積み重なります。

自分の感情をいったん置いて、子どもの未来につながる行動を選ぶ。
そう、綺麗事なんです。
でも、これほど誰かのためになる行動はないと、わたしは思っています。

綺麗事上等です。
この割り切りが、育児を楽しむ一番の秘訣だとも感じています。
これが、Nicoriの「綺麗事育児」の原点です。

(それでもしんどくて、笑顔どころではない夜もやってくると思います。そんな時のために、この記事を用意しました → 寝かしつけが嫌い、と感じる夜に|自分を責めなくていい理由

この大変さは、ずっとは続きません

「これを何年も続けるの?」と感じた方に、先にお伝えします。

大丈夫です。ずっとは続きません。
正確に言うと、大変な状況は徐々に変化していきます。

3つの宝物を育むことを意識すると、新生児〜乳児期においても、関係性の安定を感じることができると思います。
1〜2歳の頃には、自分たちなりのコミュニケーションができあがっているはずです。

実体験をお伝えすると、一般的に「取り付く島もない」と言われるイヤイヤ期、わたしの娘は「取り付く島がある」という感じでした。
タイプミスではありません。笑
ゆっくり時間をかければ、「イヤイヤの理由」を一緒に考えられるくらいまで、コミュニケーションを取ることができました。
これもひとえに、意識して自己肯定感・安心感を積み重ねてきたからこその、親子の絆だと実感しています。

これを3〜4歳まで積み重ねてこれた人には、文字通り「イージーモード」が訪れます。
子どもの気持ちがよく分かるし、子どもの方も、こちらの気持ちを理解してくれるようになります。
もちろん個人差は出ると思いますが、何かしら良い関係性がうまれるのは確かです。

今日の笑顔ひとつ、明るい返事ひとつは、種まきです。
まいた分だけ、子どもの成長と一緒に、絆になって返ってくるのです。

そして、始めるのに遅すぎることもありません。
思い立ったその日から、積み重ねを始めれば良いんです。

まとめ 特別なことはいりません

3つの宝物、と聞くと大きな話に感じるかもしれません。
でも、渡し方は驚くほど小さな行動です。

となりにいて、笑って、応えてあげる。

それだけで、自己肯定感も、安心感も、親子の絆も、一緒に育っていくとわたしは感じています。

そして不思議なもので、宝物を渡しているうちに、こちらも宝物をもらっています。
娘と積み重ねてきた時間と絆は、いまのわたしの宝物です。

夜の育児の悩みを解決する記事を、地図のようにまとめました。
赤ちゃんとの夜を、すこし楽にする育児ガイド|準備・寝かしつけ・夜中のミルク・泣きの地図

じつは、宝物を渡す方法は、ほかにもあります。
それはまた別の機会に、ご紹介しようと思います。

Instagramでは、この3つの宝物の話を、短いスライドでも発信しています。
新しい「渡し方」も、ここから少しずつ届けていく予定です。
文章より気軽に受け取れるので、よければのぞいてみてください。

Nicori編集室 編集長

ABOUT ME
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育児のしんどさも、じわっとくる楽しさも、どちらも知っている。その経験をもとに、深夜の調乳・夜泣き・眠れない夜に役立つ情報をまとめています。もっと、「育児が楽しい」と感じてもらいたくて。