粉ミルクを70℃以下で作ってしまった。どうしたらいい?
「あれ、もしかして、お湯ぬるすぎた…?」
粉ミルクを作りながら、手が止まってしまったことはありませんか?
深夜は頭がぼーっとしてしまいます。
お湯を沸かしてからうっかり時間が経ちすぎていたり、温度の確認を間違えてしまったり…
もしかしたら、そのまま飲ませてしまった後に、ハッとすることもあるかもしれません。
そんな時は、まずは落ち着いて確認してみましょう。
まず確認したいこと
結論から言うと、大抵の場合、心配しすぎなくて大丈夫なことが多いです。
ただし、「どの程度低かったのか」「赤ちゃんの月齢や体調はどうか」によって、考え方が少し変わります。
そのなかでも、下記のような場合は、注意しておいた方が良いかもしれません。
- 赤ちゃんの月齢が2ヶ月未満
- 注いだお湯が70℃より明らかにぬるい、と感じた場合
これから順を追って見ていきましょう。
なぜ「70℃」というラインが必要なのか
粉ミルクのお湯の温度には、WHOとFAOが定めた目安があります。
【WHO・FAO調乳ガイドライン】
一度沸騰させたお湯を、70℃以上を保ったまま粉ミルクを溶かすことを推奨
この70℃というラインは、粉ミルクにごくまれに混じることがある菌を、熱で無力化できる温度として示されています。
代表的なのが「サカザキ菌(クロノバクター属)」です。製造工程で完全には取り除けないため、お湯の温度でカバーする設計になっています。
つまり70℃は「ちょうど良い温度」ではなく、「菌を無力化できる最低ライン」。ラインを大きく下回るほど、リスクは上がっていきます。
(→ お湯の温度についての詳しい解説はこちら:粉ミルクを作る時に大切な「温度」とその理由|70℃と100℃は何のため?)
温度によって、リスクの考え方が変わります
お湯の温度がどのくらい下回っていたかで、状況は異なります。おおよその目安として確認してみてください。
ちょっと冷めたかな、と感じる程度だった場合(65〜69℃程度)
70℃をわずかに下回る程度であれば、多くの菌は不活化されている可能性があります。深夜に温度計が手元になく、感覚で判断していた場合などは、ここに当てはまることが多いでしょう。
赤ちゃんが元気に飲んで、その後も普段と変わらない様子であれば、まずは落ち着いて様子を見てかまわないと思います。
明らかにぬるい、と感じた場合(50〜64℃程度)
このあたりになると、菌が十分に無力化されていない可能性が出てきます。
「少し冷めた」ではなく「はっきりぬるかった」と感じるなら、赤ちゃんの様子をより注意深く見ておきましょう。月齢の低い赤ちゃん(特に生後2か月未満)や、体調の優れない赤ちゃんの場合は、かかりつけ医に状況を伝えておくのが安心です。
常温に近かった場合(50℃以下程度)
明らかにぬるいお湯や常温に近い水で作ってしまった場合は、菌が生存しているリスクが高まります。
赤ちゃんがすでに飲んでしまった場合でも、落ち着いてかかりつけ医か小児救急に相談してみてください。「どのくらいの量を飲んだか」「月齢はいくつか」を伝えると、適切なアドバイスをもらいやすくなります。
赤ちゃんの様子で確認したいこと
いずれのケースでも、飲ませた後に以下の様子が見られる場合は、早めにかかりつけ医に連絡してみてください。
- 発熱がある(37.5℃以上が続く)
- ぐったりしていて、いつもと明らかに様子が違う
- 飲んだ直後から嘔吐が続いている
- ミルクをまったく受けつけない
迷ったら相談していい
「大げさかな」と思った時は、相談していいタイミングです。
かかりつけ医や #8000(子ども医療電話相談) に電話すれば、「何もなければそれでよかった」と受け取ってくれます。
違和感を感じて不安に思っているなら、遠慮なく連絡してみてください。
再発防止:温度が下がるのを待つ必要はありません
70℃を下回ってしまった原因はなんだったのでしょうか?
もし、沸騰したお湯を冷まそうと思ってぬるくし過ぎてしまったなら、今度からは待たなくて大丈夫です。
実は、沸騰直後の熱湯でそのまま粉ミルクを溶かしても問題ありません。
これは多くの粉ミルクメーカーのホームページなどにも明記されています。
しっかり熱々で作り、哺乳瓶を流水などに当てて冷やすのが、シンプルで確実な方法です。
(熱々でも大丈夫な理由を知りたい人はこの記事
→ 粉ミルクは80℃で作っていい?沸騰直後・100℃でも栄養が大丈夫な理由)
もしも、お湯を沸かすことが負担に感じている場合は、80〜90℃のお湯がすぐに出てくるウォーターサーバーを使うのも、選択肢のひとつになります。
温度の心配をすることも、お湯が沸くのを待つ時間もなくなるので、かなり育児がスッキリすると思います。
(→ 粉ミルク作りにウォーターサーバーを選ぶなら、押さえておきたい3つのこと)
まとめ
粉ミルクを70℃以下で作ってしまった時、まず確認したいことは2点です。
- どのくらい温度が下回っていたか
- 赤ちゃんの今の様子はどうか
ちょっと冷めたかな、と感じる程度だった場合は、落ち着いて様子を見ることで十分なケースが多いようです。明らかにぬるいと感じた場合や、月齢の低い赤ちゃんの場合は、かかりつけ医への相談を選んでください。
「気づいて調べた」ことが、一番大切な行動です。
深夜に眠い目をこすりながら、赤ちゃんのためにミルクを作っている。それだけで、すごいことだと思います。
完璧にやれない時があっても、「次は気をつけよう」と思えているのですから、きっと大丈夫です。
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*Nicori編集室*
