赤ちゃんが自分の手をじっと眺めたり、おもちゃに向かって腕を動かしたり。生後3ヶ月頃は、目や手の動きが育ち、遊び方も少しずつ広がっていく時期です。

視覚、聴覚、触覚。赤ちゃんが今、何に好奇心を向けているかを観察しながら、遊び方を選んでみましょう。動く物を目で追うなら、目を楽しませる遊びを。音に反応するなら、声やリズムの遊びを。手や物を口に咥えることが増えたら、歯がためを渡してみるのもいいでしょう。

この記事では、この頃に起こる変化と、そこに合わせた遊び方をお話しします。同じおもちゃでも、見せる、鳴らす、触らせると遊び方を変えられます。わが子の反応を見ながら、「今日はこれをやってみよう」と選ぶための参考にしてください。

見え方や手の動きが変わり、遊びが広がる

2〜3ヶ月頃には両目の動きが整ってきて、近くの顔や物に焦点を合わせたり、動く物を目で追ったりするようになります。新生児期よりも目で捉えられるものが増え、表情のやりとりや、物を見せる遊びも広がっていくでしょう。

手や腕の動きも、少しずつなめらかになっていきます。自分の手を眺める、口へ運ぶ、気になる物に手を伸ばす。こうした行動が増えてきたら、物を目で追ったり、触ったりする機会を、遊びの中で作ってあげましょう。

そうはいっても、発達の時期には個人差があります。月齢だけで決めず、今のその子に合った遊びを選んであげましょう。

自分の手をじっと見ている時

2〜3ヶ月頃から、自分の手を顔の前へ持ってきて、じっと眺める姿が見られます。「ハンドリガード」と呼ばれる動きです。握った手を開いたり閉じたり、口へ運んだりしながら、自分の手の存在を確かめていきます。

「おてて、見つけたね」「指が動いたね」と、一緒に手に注目して声を掛けるだけでも、見ているものと声が結びつく遊びになります。夢中で眺めたり、指をなめたりしている時は、そっと見守り、満足いくまでさせておくのもいいと思います。

赤ちゃんの手に触れる遊びとして、手遊び歌を取り入れるのもおすすめです。YouTubeで「赤ちゃん 手遊び」などのワードで探すと、たくさんの動画があり、遊びを調べるのに便利です。動画は親だけで確認するようにして、赤ちゃんには画面を見せないようにしましょう。今後、スマホや動画に興味が向きすぎてしまう可能性があります。

物を目で追ったり、手を伸ばしたりする時

顔やおもちゃを目で追えるようになると、左右に動かしたり、隠して見せたりする遊びができます。おもちゃに手を伸ばしてきたら、タッチさせてあげましょう。「触れた」という小さな成功体験も、赤ちゃんにとってよい刺激になるでしょう。

触れた物を握る身体の反射に加え、自分から握ろうとする動きも少しずつ出てきます。この頃から4〜5ヶ月にかけて、物を持って振ったり、手でたたいたりする動きも、だんだんと上手になっていきます。

まだ手で持てない時期なら、おもちゃを近づけたり遠ざけたり、身体に触れさせたりして、反応を見てみましょう。触りたがったり、笑顔が出たりするようなら、たくさん続けてあげましょう。

今の興味に合わせた遊び方

ここからは、目を楽しませる遊び、音やリズムの遊び、感触を楽しむ遊びを紹介します。どの感覚に興味を向けているか、どんな表情や動きが返ってくるかを見ながら、試してみてください。

見る遊び|追いかける、いないいないばあ、鏡

顔やおもちゃを追いかける

目の前の顔やおもちゃを、ゆっくり左右に動かしてみましょう。目で追っていたら、「こっちだよ」などと声を掛けます。見失った時はいったん止め、また見つけるのを待ってから動かします。

いないいないばあ

親の顔を手で隠し、「ばあ」でにっこり笑ったり、少し驚いた顔をしたり。表情を豊かにして、顔が見え隠れする変化を楽しみます。反対に、赤ちゃんの顔を隠すように目の前へ手をかざし、同じ掛け声で遊んでもいいでしょう。鼻や口は塞がず、手はすぐに外します。相手の顔が隠れる時と、自分の目の前が隠れる時。交互にすると、ふたつの見え方を想像するきっかけになります。

大きく笑わなくても、じっと見たり、声や手足の動きで反応したりすることもあります。驚いて嫌がる時はいったんやめ、反応を見ながら穏やかに遊びましょう。

鏡で顔を見る

赤ちゃんを抱っこして、鏡の前で一緒に顔を見ながら、「〇〇ちゃんがいるね」などと話しかけてみてください。親が笑ったり、口を動かしたりすると、鏡の中の顔にも変化が出ます。姿を見せながらほっぺなどをつつくのもいいと思います。何を見つめているか、どんな表情になるかを楽しんでみましょう。

赤ちゃんとの声や表情のやりとりは、生後2ヶ月の記事でも紹介しています。3ヶ月頃にも続けて遊べます。

床に座った母親が、立てた太ももに赤ちゃんをもたせかけ、頭を手で支えながら向かい合って声をかけている水彩イラスト
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音とリズムの遊び|音の出るおもちゃ、手遊び、足の裏トントン

音の出るおもちゃで遊ぶ

音の出るおもちゃを目の前で小さく鳴らし、反応を見てみましょう。手を伸ばしたら持ち手を近づけ、握れた時は自分で動かすのを待ってみます。自分の手の動きで音が出ることも、おもしろさになります。耳元では鳴らさず、音の大きさに注意して遊びましょう。

手に持つのがまだ苦手なら、音の出るやわらかいぬいぐるみなどを選ぶのがよいでしょう。硬いおもちゃは、手から落ちた時に顔へ当たることもあるので、重さややわらかさも選ぶ目安になります。

手遊び歌に合わせて、ゆらゆら・トントン

赤ちゃんの手をやさしく持ち、歌に合わせて小さくゆらゆら動かしたり、手のひらを指でトントンしたりしてみましょう。お腹や頭などにも、リズムに合わせてやさしくタッチしてみましょう。聞こえるリズムと、触られる感覚を一緒に楽しめます。身体のいろいろな所に触れることが、赤ちゃんの様々な感覚を育てることに繋がります。腕を動かす時は、楽に動く範囲でゆっくり行います。

足の裏トントン

あおむけの赤ちゃんの足の裏を、指や手のひらでリズミカルに軽く触ってみます。歩くように脚を交互に曲げ伸ばしする遊びもできます。足首や膝の裏を支え、伸ばす時は力を抜いて、赤ちゃんの動きに合わせましょう。足にも触れ方の変化を作ると、手とは違う反応が見えるかもしれません。

遊びに合わせて、声を掛ける

遊びながら話しかけると、赤ちゃんは声を聞き、顔や口の動きを見ながら、言葉の音に親しんでいきます。触っている箇所や起きている出来事を言葉にしたり、赤ちゃんの声に返事をしたり。こうしたやりとりが、言葉を受け取る土台を育てていきます。

感触の遊び|ガーゼ、歯がため

ガーゼを見せる・触らせる

ガーゼの端を持ってゆらゆら動かし、頬や手をそっとなでてみましょう。手だけで触る時とは違う、やわらかな感触を楽しめます。ガーゼは大人が持ったまま使い、鼻や口が塞がらないように注意しましょう。

手を伸ばしてきたら、端を握れるように近づけてみてください。握ったら、強く引っ張らず、軽く引き合う程度で遊びます。ガーゼはやわらかく、独特の手触りなので、家でも外でも、遊ぶのにちょうどよい物です。

歯がためで、なめる・かむ

物をくわえたい、なめてみたい。それも、赤ちゃんの成長にともなう欲求のひとつです。その気持ちを満たせるように、歯がためなどを用意しておくと便利です。

「あまりなめてほしくないな」と思う物もあるでしょう。「これならくわえて遊んでいい」という物があると、親も赤ちゃんも安心して遊べます。「3ヶ月以上」が対象の物もあるので、商品の表示を確かめて選びましょう。

はじめは無理にくわえさせようとせず、触らせたり、持たせたりしてみましょう。こちらが何もしなくても、そのうち自分で口へ運んで、かみかみする遊びを見つけると思います。

歯がためを使い始める目安や選び方は、こちらでまとめています。

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ぬいぐるみと「お友達ごっこ」

ぬいぐるみや人形に興味を向けたら、小さなお友達として遊んでみましょう。こちらが動かしながら、「〇〇ちゃん、こんにちは」「ぼく、くまさん」などと話しかけます。

名前を呼ぶ、自己紹介をする。「うれしいな」「たのしいね」と、気持ちを言葉にする。声を変えても、自分の声のままでも、やりやすいほうで遊んでみてください。

手が伸びてきたら、人形の手で握手をしてみましょう。触ったり持ったりする様子に合わせて、「会えてうれしいな」「だいすきー」と言ってみるのもいいですね。

終える時は、「ばいばい、またね」とちゃんと挨拶をするのもおすすめです。遊びの始まりから終わりで、一区切りをつける。楽しく遊ぶなかで、物事を切り替える感覚の練習をします。「こんな早い時期から?」と思うかもしれませんが、ちょっとずつ進めることが育児のコツです。

うつぶせで遊ぶ、タミータイム

タミータイムは、起きている赤ちゃんをうつぶせにして遊ぶ時間です。首や背中などの筋肉を使う練習になります。1〜2ヶ月頃から短い時間で取り入れられ、3ヶ月頃には顔を上げていられる子も増えてきます。首の安定には個人差があるので、今の様子に合わせて行いましょう。

大人で考えると、筋トレのような時間です。長々とやりすぎないように気をつけてください。

床の硬めで平らな場所で行い、大人はそばで様子を見守ります。必要な時にはすぐ姿勢を戻せるようにしておきましょう。顔を見せたり話しかけたりすると、赤ちゃんも遊ぶ感覚で練習できます。絵柄のあるプレイマットなどの上でおこなうと、より楽しく感じるかもしれません。

大人がそばで見守りながら、短い時間から始めます。少し楽しめたところであおむけに戻したり、抱っこしたりして、一区切りにしましょう。嫌がったり疲れたりした時は、早めに切り上げます。

おもちゃ・遊ぶ場所を選ぶ

触る、握る、口へ運ぶ。この頃の遊びに合うおもちゃを選ぶ時は、対象年齢や部品、使い方の表示を参考にしましょう。遊ぶ場所も、増えてきた身体の動きに合わせて見直しておくとよいでしょう。

対象年齢・部品・お手入れを確かめる

ガラガラや歯がためは、対象年齢と使い方の表示を見て選びます。年上のきょうだいのおもちゃにある小さな部品は、赤ちゃんの手の届かない所に置きます。

ぬいぐるみは、目や飾りなどの部品が外れそうでないか、縫い目がほつれていないかを確かめます。ほどけそうなリボンやひもは外しておきましょう。

育児のしおりには「おもちゃなどは清潔にして与えましょう」と案内されています。口に入れる物を選ぶ時は、洗い方も見ておくと使いやすくなります。洗浄や消毒の方法は製品によって違うので、その説明に合わせます。

おもちゃを選ぶ目安になる「子供PSCマーク」

子供PSCマークとは

「子供PSCマーク」は、乳幼児用のおもちゃなどが、国の安全基準に適合したことを示すマークです。3歳未満向けのおもちゃには、丸い形のマークが使われます。

2025年12月25日から表示が始まりました。ただし、それより前に製造・輸入されたおもちゃは、このマークがなくても販売できます。前から家にある物に付いていないこともあるので、対象年齢や部品、使い方とあわせて確かめましょう。

玩具の安全基準に適合したことを示す「STマーク」も、選ぶ時の目安になります。STマークの付いたおもちゃにも、対象年齢が表示されています。

身体の動きが増えてきたら、遊ぶ場所も確認する

この頃は腕や脚の動きが活発になり、寝返りを始める子もいます。昨日まではその場に寝ていたのに、急に転がりだす、なんてこともあるので注意してください。

少しでも目を離す場合には、周りの物を片づけた床の安全な場所で、あおむけにして遊ばせましょう。ソファや大人用のベッドなど、転落の心配がある場所には寝かせないようにします。うつぶせの遊び中は、床でも目を離さず見守ります。

疲れが見えたら、刺激を減らして休む

遊びの途中で横を向く、あくびをする、目を閉じる。こんな様子が見えたら、疲れているサインかもしれません。

おもちゃを動かす、リズムで遊ぶなど、刺激の強いことは控えて、ひと休みさせましょう。穏やかに抱っこしたり、静かな場所に寝かせたりして、声を掛ける時もやさしく話しかけましょう。

ぐずり始めたら、お腹がすいていないか、おむつは濡れていないか、室温なども確かめます。

間をおいて機嫌が戻ってきたなら、また遊びを再開してもいいかもしれません。本格的に眠たそうなら、お昼寝のサポートをしてあげましょう。

抱っこで眠ったら、赤ちゃん用の硬めで平坦な寝床へ移し、あおむけで寝かせます。ガーゼやおもちゃ、ぬいぐるみは、寝床に残さず片づけましょう。落ち着いているなら、はじめから寝床に置いて、様子を確かめられる所から、赤ちゃんが自分で眠るのを見守ってもかまいません。

「今」の反応を見ながら、一緒に遊んでみる

生後3ヶ月頃は、目や手の動きが育ち、いろいろな遊びを試せるようになります。何に好奇心を向けているか、どんな反応が返ってくるかを見ながら選んでみましょう。

目を楽しませる

動く物を追うなら、顔やおもちゃをゆっくり動かしてみる。いないいないばあや鏡も、目で捉えられるものが増えてきた時期に試せる遊びです。表情や見え方の変化を、一緒に楽しみましょう。

音やリズムを楽しむ

音に反応するなら、ガラガラを鳴らしたり、手遊び歌に合わせて手足に触れたりしてみる。聞こえる音と触られる感覚が重なり、遊びの幅が広がります。

触れる・口で確かめる

手を伸ばすなら、ガーゼやぬいぐるみに触らせてみる。口へ運ぶなら、対象年齢に合う歯がためを選ぶ。今の動きに合わせて、形や感触を確かめられる物を渡しましょう。

タミータイムも、顔や絵柄、おもちゃを見る遊びと組み合わせられます。疲れが見えたら、刺激を減らしてひと休み。遊ぶ時間と休む時間を、その日の様子に合わせていきましょう。

何気なくしている遊びも、赤ちゃんがいろいろな感覚や動きを育てる機会になり、成長を支えていきます。

この時期の赤ちゃんの好奇心や反応は、同じように見えて、少しずつ変化していきます。何かを見る瞳の雰囲気、おもちゃを扱う手、発する声。今日の反応は、今だけのものかもしれません。

「今日は、どんなふうに遊ぶのかな」。そんな気持ちでわが子をじっくり見ていると、育児のおもしろさも増していくのではないでしょうか。


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