生後2ヶ月の赤ちゃんとの遊び方|声と表情で返し合うふれあい
話しかけると、「あー」と声が返ってきた。そんな瞬間に、思わず顔がほころんだことはありませんか?
生後2ヶ月頃になると、個人差はありますが、あやすと笑ったり、動くものを目で追ったりする子も出てきます。
この頃の遊びにおすすめしたいのが、赤ちゃんの声や表情に、こちらも声と表情で返すことです。目を見開いたら、こちらも目を大きく開く。「あー」と声を出したら、その声の響きを受け取って、声で返す。道具はいらず、今日から試せる遊びです。
もうひとつのおすすめは、子守唄をうたって聞かせること。上手にうたえなくても大丈夫です。名前を呼ぶ声や、知っているメロディの一節から始められます。
この記事では、わたしの経験を例に、赤ちゃんと心を通わせるための関わり方をお話しします。
声だけでなく、表情も返してみる
声を出すようになったり、視界に入るものへの興味が強くなったり。そんな生後2ヶ月頃の赤ちゃんには、声をかけるだけでなく、表情も見せてあげましょう。表情もまた、赤ちゃんとのコミュニケーションになります。
目や口の変化を、こちらの顔でも返す
うたったり話しかけたりしていると、赤ちゃんが声を返してきたり、表情に変化が見えたりすることがあります。そんな時は、その変化を誇張するように、こちらも表情を変えて返してみましょう。
目を開くような変化があったら、こちらも大きく目を開いてみる。口を開いたなら、こちらも大きく口を開いてみる。わたしも娘に子守唄をうたいながら、よくこうして返していました。
赤ちゃんにとっては、「自分が何かを変えたことで、目の前の相手も何かを変えてくれる」という感覚なのではないでしょうか。そんな経験が、少しずつ重ねられていきます。
赤ちゃんの変化は最初は分かりづらいですが、続けているうちに、だんだんと見えてくるようになるかもしれません。
声の響きを受け取り、こちらも声を変える
赤ちゃんが「あー」とか「うー」と声を出したら、同じような声で返してみる。これは、よく紹介されている遊び方です。
この記事ではそこからもう一歩進めて、赤ちゃんの声の響きや音色を受け取るように、こちらの声の雰囲気も変えてみましょう。
イメージは、ジャズのセッションです。ジャズのセッションでは、決まった楽譜がなくても、演奏する人どうしが相手の音を聴き、その場で自分の音を返していくことがあります。赤ちゃんとの声のやりとりも、それに近い感覚があります。相手の声を聴いて、それに合わせるように、こちらも声で応える。赤ちゃんとの間で行われる、正解のない、即興の対話です。
この「音のやりとり」の考え方は、記事の後半でも出てきます。頭の片隅に入れておいてください。
月齢が進むと、こちらに何かを訴えかけるような声を出すことも増えてきます。はっきりした意味は分からなくても、「うん、うん」「そうだね」と、伝わっているみたいに返事をしたり、会話をしたりする。わたしは、それがコミュニケーションの土台になるのではないかと考えています。
声をまねても、言葉で答えても、どちらでも赤ちゃんにとっての刺激になると思います。返したあとに、赤ちゃんがどうするかも見てみてください。
声をかけるきっかけは、お世話の中にもたくさんあります。新生児の頃からできる、場面ごとの声のかけ方は、こちらでお話ししています。
決まった歌がなくても、顔や声で遊べる
歌を聞かせることも、コミュニケーションを取れる立派な遊びになります。
ここでは、ふたつの子守唄を紹介します。その時の気分で好きに口ずさむ、即興の子守唄。そして、なじみのある既存のメロディを使った子守唄です。
歌詞やメロディを決めずに、うたってみる
わたしは、月齢の低い時は、前者の即興の子守唄をよく使っていました。ここでは、即興の子守唄の始め方のヒントをお伝えします。
名前を呼んだり、声をかけたりする時、かわいさのあまり、語尾に「♪」がついちゃうことはありませんか?「〇〇ちゃん〜♪かわいいね〜♪」「いいこだね〜♪ねんねしようか〜♪」のような声です。
この「音符言葉」は、くり返していると、短いメロディのように聞こえてきます。その瞬間の「かわいいなぁ」という気持ちから出てくる声なので、自然と音程に揺らぎが生まれます。そのまま声を続けていけば、即興の子守唄へと繋げることができます。
かわいいという気持ちを声に出すことに慣れている人なら、思ったより簡単にできると思いますが、慣れていないと、ハードルが高く感じられるかもしれません。
そんな時は、後者の子守唄です。知っているメロディに、声を乗せてみてください。昔聞いたCMソングや、子どもの頃に見ていたアニメのテーマソングの一節。考えなくても、自然と口からこぼれてくるメロディです。そのほうが余計なことを考えずに、赤ちゃんに集中できます。
歌詞は、なくてもかまいません。鼻唄にしてもいいですし、赤ちゃんの名前を歌詞にしてうたうのもおすすめです。名前を歌詞に入れると、さきほどお話しした「♪」が、声に乗りやすくなります。愛されていることも、赤ちゃんに伝わりやすいのではないでしょうか。
どちらの子守唄でも、色々なメロディを、気分で行ったり来たりしてかまいません。音程が少しずつ変わっても、気にしなくて大丈夫です。
赤ちゃんの顔を見ながら、体温を感じながら、その時に浮かんだ音を出していく。自分でも忘れていたような懐かしいメロディが、口からこぼれてくることもあって、面白いですよ。
うたっている時に赤ちゃんの目や口が動いたら、こちらも表情で返してみましょう。
抱っこでうたう時は、声の響きを感じながら
抱っこで子守唄をうたっている時に、赤ちゃんから反応があるか、ないか。それは、ほとんど気にしなくていいと思います。反応の出し方には、個人差があります。大切にしたいのは、声の響きが赤ちゃんの身体に伝わっているかどうか、という感覚です。
声は、口から外に出ているだけではありません。肺から喉を通る空気が振動を生み出し、その振動が音となって外へ響いていきます。うたっていると、その響きは、自分の身体にも伝わってくるように感じます。抱っこしている胸や腕、手のひらから、その響きが赤ちゃんの身体へ伝わっているような感覚で、うたってみてください。
そうしてうたっていると、赤ちゃんの身体の様子に変化を感じることがあります。力の入り具合や、気持ちが落ち着いているような雰囲気。観察を続けていると、そんなことも、なんとなく分かってくるかもしれません。
響きによる安心感を、お互いに感じる。そんな時間を重ねるうちに、わたしは、抱っこで安心してもらえたり、子守唄であやせたりするようになっていきました。これはわたしの実感ですが、実践すれば、同じように感じてもらえる人も多いのではないかと思っています。もし試してみて感じたことがあれば、ぜひInstagramで聞かせてください。
やりとりを続けるかは、その時の様子で
声や表情によるやりとりを続けるか、ひと休みするか。赤ちゃんの様子をよく見て、決めてあげましょう。
遊んでいる時やあやしている時は、声が大きすぎないか、顔が近すぎないかなど、赤ちゃんの立場になって考えてみましょう。わたしたち大人も、近くで大きな声で話されたり、急に近づいてこられたりしたら、驚いたり、時には不快に感じたりすることがあるでしょう。相手が赤ちゃんであっても、そういう配慮は、今後の親子関係をつくるのにとても大切だと、わたしは考えています。
横を向いたり、眠そうになったりしたら
顔を近づけて、表情や声を返し合う。大人にはいたって普通のことでも、赤ちゃんにはたくさんの刺激が詰まっています。
やりとりの途中で、赤ちゃんがふっと横を向くことがあります。休息をとるために、こうした行動をすることがあると言われています。
そんな時は、無理して気を引こうとせず、こちらもひと休み。また顔を向けてくれるまで、待ちましょう。
ぐずり始めたり、眠そうな様子が見えたりしたら、遊びはいったんおしまいにします。
眠る時は、赤ちゃん用の硬めで平坦な寝床に、あおむけで寝かせます。抱っこで眠った赤ちゃんを寝床へ移す時も同じです。寝床には、ぬいぐるみやタオルなどを置かず、すっきりさせておきましょう。
物を見る遊びも、今の関心に合わせて
声や表情のやりとりのほかに、一緒に何かを見ることも、遊びのひとつになります。赤ちゃんが何に視線を奪われているのかを観察して、会話や共感をしながら、色々なものを見せてあげましょう。
白と黒のしま模様や、はっきりした色の柄は、赤ちゃんの目を引きやすいと言われています。赤ちゃんが好きになりやすいキャラクターも、このような特徴を持つものが多いようです。おもちゃがなくても、柄のある服やスカーフでも代用できます。
赤ちゃんがじっと見ているものがあったら、「しましまだね」などの会話をしながら、一緒に見る時間を楽しんでみてください。
声と表情のやりとりを、ふだんの遊びに
生後2ヶ月の赤ちゃんとのやりとりで、ヒントになりそうなことはありましたか?この記事でお伝えしたことを、まとめておきます。
- 目や口が動いたら、こちらも表情で返してみる
- 声を出していたら、響きや音色を受け取って、声で返してみる
- 子守唄は、即興でも知っているメロディでもいい(鼻唄にしたり、名前を歌詞にしたりするのもおすすめ)
- 抱っこでうたう時は、反応の有無より、声の響きが赤ちゃんに伝わっているような感覚でうたう
- 声の大きさや顔の近さは、赤ちゃんの立場になって考える
- 横を向いたら、無理に気を引かずに待つ
- 眠そうな時は遊びをおしまいにして、硬めで平坦な寝床にあおむけで寝かせる
- 赤ちゃんの視線の先を観察して、一緒に見ながら声をかける
この記事で書いたことをはじめ、多くの会話をしながら、娘と過ごしてきました。今では、しっかりと自分の気持ちを伝えてくれ、そして、わたしの気持ちも大切に考えてくれるようになりました。
親子の会話というのは、ただの音のやりとりだった、小さな赤ちゃんの頃から続いているのではないかな。わたしは、そう感じています。
赤ちゃんと過ごす時間に、こちらもどうぞ
情報の確認に用いた参考資料
- NHS Bradford Activities for you and your baby(表情で応えるやりとり、途中のひと休み、しま模様を見る遊び)
- 米国小児科学会(AAP)Emotional & Social Development in Babies: Birth Through 3 Months(笑顔や声のやりとり、横を向いて刺激を受けすぎないようにすること、抱く距離や声の大きさの調整)
- 飛騨市掲載・CDC(米国疾病予防管理センター)発達のマイルストーン日本語版 2ヶ月(PDF p.1〜2)(2ヶ月頃に見られること、声への応え方、休みたい時の様子、眠る場所)
- NHS First sounds: 0 to 6 months(顔を近づけて話す・うたうこと、声に応えること)
- NHS Understanding your baby(ひと休みが必要な時の様子と対応)
- 米国国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)Taking Care of Your Voice(声が生まれる仕組み)
- こども家庭庁・母子健康手帳「育児のしおり」(赤ちゃんの成長や発達の個人差)
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」(眠る時の寝床と姿勢)
