新生児から目を離すのが怖い時に|お風呂の間くらいは、待ってもらって大丈夫
新生児の赤ちゃんとの毎日は、つい気を張ってしまうことばかり。
お風呂に入りたいけれど、その間に何かあったらと思うと、なかなか離れられない。
眠っている時も、息をしているか気になって、何度ものぞきに行ってしまう。
どのくらいなら、離れても大丈夫なのか。そう考えた時に気にしたいのは、時間のこと(何分くらいなら目を離していいかなど)よりも、赤ちゃんを寝かせる場所です。必要なお世話が済んでいて、いつもと変わらない様子なら、整えた寝床に寝かせて、お風呂の間くらいは待ってもらって大丈夫です。
この記事では、そばを離れる前に考えたいこと、お風呂の間の過ごし方、眠気に勝てない時の備え、それでも不安が残る時の相談についてお話しします。
気にしたいのは「何分か」より「どこに寝かせたか」
新生児をはじめ、乳児から目を離すことは、親にとって不安を感じることのひとつです。わたしもそうでした。
この記事を執筆するにあたり、公的な資料では「赤ちゃんのそばから離れること」についてどのように書いてあるのか調べてみました。ですが、家事やお風呂のために離れていい時間を、一律に決めた数字は見当たりませんでした。
「10分くらいなら大丈夫なんじゃなかった?」このように聞いたことがある人もいるかもしれません。
海外の公的なサイトには、こんな案内があります。泣きやまない赤ちゃんへの対応でつらくなり、代わってくれる人もいない時は、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、別の部屋で気持ちを落ち着ける。その時に、たとえば10分など時間を決めて、また戻る。
これは、親が落ち着くための目安です。お風呂や家事の目安として書かれたものではありません。この話が、少しねじれて伝わっているのかもしれません。
もし「10分なら大丈夫」と言われたとしても、お風呂のもろもろを終わらせるのに10分は短すぎますよね。笑
時間よりも意識したいのは、赤ちゃんを寝かせている場所です。
- 赤ちゃん用の、硬く平らな寝床に寝かせる
- あおむけに寝かせる
- まわりには何も置かない(ぬいぐるみ、タオル、掛け布団などもNG)
寒さは、着るものや空調で調整します。
大人用のベッドやソファのように高さのあるところに寝かせたままにしておくと、落ちる危険があります。
これらの条件を整えたうえで、そばを離れるようにします。
授乳の時間やおむつ、室温など、寝床のほかに確かめておきたいことは、こちらで詳しくお話ししています。
お風呂の間くらいは、待ってもらって大丈夫
ここでは、お風呂のために離れる場合を例にお話しします。
ツーオペの時はすり合わせが大切
お風呂の間にお世話を託すなら、その時間を赤ちゃんとどう過ごすのか、事前に話しておくことが大切です。
自分が初めての育児で、パートナーも初めての育児の場合、「当然わかってくれていると思っていたことが、ちゃんと伝わっていなかった」なんてことがよくあります。自分の中にできあがったお世話の方法を、相手と共有することは、思っているより難しいです。
こんな時どうしてほしいのか、何に気をつけてほしいのか、お互いに確認しておく。そうすることで、お風呂の間などに安心して預けることができます。
ひとりの時は、整えた寝床に寝かせてから
新生児の娘との夜、泣き声が聞こえると、ほっとけない感覚がありました。心配というより、自然と吸い寄せられてしまうような。
泣き声はもちろん、赤ちゃんの存在自体が気になってしまい、眠ることができない。そう感じてしまう人がいるのも、無理のないことだと思います。
正直に言うと、赤ちゃんは、意外と逞(たくま)しく生きています。お風呂の時間くらいは、待ってもらって大丈夫。これが、わたしの本音です。
ひとりでお風呂に入る時は、必要なお世話が済んでいて、いつもと変わらない様子かを確かめておきます。そして、先ほどお伝えしたような整えた寝床に寝かせてから、お風呂に入りましょう。
お風呂場の近くに寝かせておきたくて、洗濯機の上や浴槽のふたを使うのは、絶対に避けてください。何かの拍子に落ちてしまうおそれがあります。
途中で泣き声が聞こえても、寝床にいるなら、そこまで慌てる必要はありません。お風呂から戻ったら、その時に合わせてお世話をしてあげましょう。
お風呂の中で不安になってしまう人もいると思います。様子が分かることで楽になるなら、スマホ連携できるベビーモニターを使う選択肢もあります。防水ケースに入れたスマホなら、シャワーを浴びながら赤ちゃんの姿を確かめることもできます。
防水ケースに入れて使う時のことは、こちらでお話ししています。
画面越しでも、お風呂から出た時でも、いつもの泣き方や様子と違うと感じたら、早めに赤ちゃんのところへ行ってあげてください。
ずっと見ていることは、誰にもできない
赤ちゃんのお世話をする中で問題になってくるのが、親の睡眠不足です。
わたしも娘が新生児のころ、どうしても睡魔に勝てない瞬間が何度もありました。その時はパートナーがいたので何とかなりましたが、もしひとりだったらどうしていただろうか、と思います。
どんなに頑張ろうとも、起きてずっと見ていることは、誰にもできません。眠気に勝てそうにない時は、無理して自分で見ようとせず、赤ちゃん用の寝床に寝かせてあげてください。頼れる人がいる時は、お風呂と同じように、お世話を代わってもらいましょう。
抱っこや添い寝をしたまま一緒に眠ってしまうと、大人の身体が覆いかぶさって、赤ちゃんの口や鼻を塞ぐおそれがあります。
アメリカの小児科学会からは、こんな注意喚起も出ています。疲れている時は、ソファや肘掛け椅子での授乳を避ける。授乳中に眠ってしまった時は、目が覚めたらすぐに赤ちゃんを寝床へ移し、あおむけに寝かせる。
普段から赤ちゃんのために寝床を整えておくことで、急な眠気におそわれた時など、自分自身を助けることに繋がります。
赤ちゃんが眠っている間も、息をしているか気になって、何度も確かめたくなることがありますよね。こども家庭庁の案内によると、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防方法は、まだ確立していないそうです。一方で、あおむけに寝かせることなどで、発症のリスクを下げられることが研究で示されています。
同じページでは、「赤ちゃんの睡眠時のすべてのリスクを避けることは難しいですが、まずは、無理なくできることからはじめてみませんか。」とも呼びかけています。ずっと見ていることはできなくても、寝床を整えておくことで、赤ちゃんの安全を支えることはできます。
準備をしても不安な時は、そのまま話していい
寝床を整えても、誰かに代わってもらっても、気持ちが休まらないこともあるかもしれません。息をしているか、何度も確かめずにいられない。お風呂どころか、トイレにも落ち着いて入れない。
そんな時は、赤ちゃんの様子だけでなく、自分が何に困っているかも、誰かに相談してみてください。「こんなことで相談していいのかな」と考える必要もありません。
うまく説明できなくても大丈夫です。たとえば、こんなふうに話し始めてみてはどうでしょう。
「寝床の環境には気をつけていますが、赤ちゃんが気になって眠れません。どうしたら休めるか、一緒に考えてほしいです」
身近な相談先は、お住まいの市区町村の子育て相談窓口です(保健センターなど。名前は地域によって違います)。保健師さんなどが、育児のことや、休めない困りごとの相談にのってくれます。産後ケアを使えるかどうかも、聞いてみてください。
つらい気持ちを今すぐ誰かに話したい時は、よりそいホットライン(0120-279-338・通話無料)でも、24時間、話を聞いてもらえます。
少し離れて、また戻る
少しの時間でも、赤ちゃんから離れるのは不安なものです。でも、寝床が整っていれば、赤ちゃんは少しの間は待つことができます。託せる人がいる時は、お世話のやり方をお互いに確かめておく。それでも気持ちが休まらない時は、ひとりで抱えずに頼れる窓口に相談してみる。
お風呂から上がって、赤ちゃんのところへ戻る。泣いていたら抱き上げて、「お待たせ」と声をかける。眠っていたら、寝顔を少し眺めてから、次のお世話へ。
ずっとそばで見ていられなくても、離れて、また戻って、関わる。その繰り返しの中で、赤ちゃんとの絆は深まっていくことでしょう。
赤ちゃんと過ごす時間に、こちらもどうぞ
情報の確認に用いた参考資料
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように」(寝床と寝かせる姿勢、添い寝の注意、SIDSのリスクを下げる3つのポイント)
- こども家庭庁・母子健康手帳「新生児」(寝床、泣きやまずつらい時に、いったん離れる案内)
- こども家庭庁・母子健康手帳「すこやかな妊娠と出産のために」(産後の不安や気分の変化の相談、産後ケア)
- 国民生活センター「洗濯機や浴槽の蓋に寝かせないで!入浴に伴う乳児の落下に注意」(入浴時に赤ちゃんを寝かせる場所)
- 消費者庁「ご家庭でおむつを替えるときの転落に注意してください」(ベッドやソファなど、高さのあるところからの転落)
- NHS Soothing a crying baby(泣きやまずつらい時に、時間を決めて離れる例)
- 米国小児科学会(AAP)Safe Sleep Tips for Sleep-Deprived New Parents(眠気がある時の授乳と寝床)
