寝かしつけを代わったのに、泣かれてしまった。ママに戻すと泣き止む。「パパだと、どうしてダメなんだろう」と感じたことはありませんか。

この記事では、パパだと泣く理由を短く説明したうえで、寝かしつけができるようになるための具体的な方法をお伝えします。読み終わる頃には、今夜から何をすればいいかが分かるはずです。

ママの中には、寝かしつけがうまくいかなくて悩んでいる方もいると思います。今回のお話はパパ限定のものではありません。毎日大変な寝かしつけを、つらくないものに変えるヒントがあると思います。ぜひ、自分事として読んでみてください(後半には、ママへ向けた章も用意しています)。

この記事の結論

パパだと泣くのは、嫌われたからではありません。赤ちゃんは「眠ること」自体に不安を感じていて、その不安を超える安心が、パパとの間に育っていく途中なだけです。

そして安心は、意識した関わりで、今日から築いていけます。やり方はこのあと具体的に説明します。

パパだと泣く理由——嫌われたわけではない

寝かしつけは、赤ちゃんの「安心」がいちばん試される場面です。眠い時や不快な時ほど、赤ちゃんはいちばん安定した関係の人を求める、と専門家も説明しています。なので、安心の土台ができる前は、泣くのが自然なことです。あなたが嫌われたのではなく、まだ途中、というだけです。

発達の面からも、同じことが言えます。人見知りは生後8〜9ヶ月頃から、分離不安は生後8ヶ月頃から見られ、いずれも親への愛着が芽生えた証拠となる、正常な発達段階だと説明されています。「パパ見知り」という言葉もよく聞きますが、これは俗称で、明確な定義はありません。

国の保育指針にも、乳児期の情緒的な絆は「特定の大人との応答的な関わり」を通じて形成される、と書かれています。つまり、安心は生まれつきの相性ではなく、関わりの積み重ねで作られるもの。なので、意識して取り組むことで、より良い関係を作ることができます。

赤ちゃんの中には「安心できるエリア」のようなものがあります。眠い夜ほど、赤ちゃんはそのエリアの中にいる人を求めます。まずは時間をかけて「この人は、エリアに入れても大丈夫」と知ってもらうこと。そこから始まります。

今日からできる「安心の築き方」

大前提はひとつです。そばにいる時間を、意識して愛情を向ける時間にすること。愛情は、心の中に持っているだけでは赤ちゃんに伝わりません。笑顔、声、スキンシップ——伝わる形にして渡します。

土台になるスタンスは「どんな時でも抱っこしてあげるよ」です。寝かしつけの時間だけ頑張るのではなく、日常の関わりから始めます。日中の安心の積み重ねが、夜の寝かしつけの自信につながっていくからです。

具体的にやることは、次の6つです。

  • 笑顔を向ける
  • 穏やかな声を、日常的に聴かせる
  • 名前をたくさん呼ぶ
  • 目を見て話しかける
  • 泣いたら、すぐに応える
  • 「だいじょうぶだよ」と肯定の言葉をかける

どれも、今日からできます。特別な道具も、まとまった時間も要りません。

次の段階は「観察」です。呼吸、身体の緊張、泣き声のトーンを見て、「いまどんな気分かな」と感じ取ろうとしてみる。そのうえで「自分なら、どんな声とテンポが心地よいか」を想像して、声にして返します。子守唄は、この実践そのものです。赤ちゃんの変化は小さなサインで現れるので、観察を続けるうちに、少しずつ感じ取れるようになっていきます。

(泣き声の「観察」のしかたを、もっと詳しく知りたい方はこちら → 赤ちゃんの泣き方に種類はある?聞き分けより楽になる「観察」という関わり方

「寝る前は興奮させない」というアドバイスもよく見かけます。それ自体は一理あります。でも「しない」で止めず、「代わりにすること」まで持っておきたい。遊びで楽しませる以外のあやし方——たとえば、穏やかな声掛けと、子守唄です。

ある調査では、寝かしつけの主担当はママ77.6%、パパは約2割でした。この数字を見て思うのは、パパのいつも通りの毎日では、自然にできるようになるのは難しいのでは、ということ。核家族化や日本の育児文化なども関係していると思います。なので、意識して新しい関わり方を増やすことから、赤ちゃんとの関係構築は始まります。上のリストから、まずひとつで大丈夫です。

わたしの場合は、新生児期から、泣いている時間を笑顔と穏やかな声で抱き続けることをしていました。何日かだけでも、反応の変化を感じられ、1〜2ヶ月のうちにはお互いへの愛着がうまれたのを感じました。「どんな時でも抱っこできる」関係は、そうして築いたものです。同じ経過をたどれるかどうかは分かりません。ですが、父親だからできない、と望みを捨てないでほしいです。

月齢で、やり方が変わる

「新生児を抱っこするのはこわい」そんなパパさんのお話をよく聞きます。ですが、それは少しもったいないことです。

新生児期は、ゼロから固有の関係を築ける好機です。この時期の赤ちゃんには、まだ人の区別も生活ルーティンもありません。誰が抱いても泣く時期なので「ママと同じことをしなきゃだめ」などを、あまり考える必要がありません。

なので、ママでも泣き止まない夜は、パパが抱っこ担当でいいと思います。疲れて眠るまで抱っこし続けるその時間が、ふたりの関係の出発点になります。

成長して自意識が育ってきた子がママを選ぶのは、「慣れて安心できる雰囲気」を選ぶ自然な行為です。雰囲気とは、ママという存在だけでなく、いつもの流れ・声掛け・ペースの全体のこと。ここでは、パパが子の感覚に合わせます。まず、ママがしてきたルーティンの中の「外したらいけないこと」を見極める。そのうえで、自分の武器——低い声、大きな身体、自分なりのあやし方——を模索していきます。

ママの授乳や独特の温もりを使った関係は、真似できません。でも、比べなくて大丈夫です。父と子には、固有の絆の深め方があります。

なお、ルーティンの統一や、少しずつ交代していく段階移行は、ネット上でも広く紹介されています。取り入れやすいものがあれば、組み合わせて構いません。
この時ママに意識してほしいのは、必要以上に、自分と同じことをパパに望まないことです。できるだけ決め事を絞って、パパの感性や得意を活かせるようにすると、将来的に良い方向へ変化するのではないでしょうか。

(セルフねんねと抱っこ、どっちがいいの?と迷っている方はこちら → セルフねんねと抱っこ寝かしつけ|どっちもあっていい、と思える心構え

泣き止まない夜の考え方

目的を「泣き止ませる」から「安心していいよ、と伝え続ける」に変えます。

「泣き止ませなきゃ」と思えば思うほど、つらくなってしまいます。まずは安心感を育てるのが先で、泣き止むのは結果としてやってきます。
抱っこの中で泣いていても、その時間は信頼を築いている時間です。泣いているこの時を「ふたりで過ごす大切な時間にしよう」と決めるだけで、抱っこの腕も、掛ける声も、変わっていきます。

泣き止ませようとしなくていい。愛情を向けながら、そこにいること。それが信頼になります。

(寝かしつけそのものが、つらくなってきた方はこちら → 寝かしつけが嫌い、と感じる夜に|自分を責めなくていい理由

ママが読んでくれているなら

泣き声が続くと、つい代わってあげたくなりますよね。それは自然なことです。でも、同じ調査にはこんな数字もあります。

職場復帰後も寝かしつけの主担当がママの家庭は85.1%。ママの育児ストレスの1位は夜泣き対応(55.1%)でした。ママに疲れが溜まりやすい構造になっています。

ここで提案です。新生児のうちから、パパとの安心感を築いてもらう時間を意識的に作ってみてください。先ほども伝えましたが、誰が抱いても泣く時期こそ、むしろ任せどきです。子どもが大きくなっている家庭でも、今から少しずつ、安心を築き始められます。

パパの9割以上が「寝かしつけができるようになりたい」と答えています。その気持ちが無くならないうちに、夜をひとつ任せてみてください。パパに任せる夜は、近い未来の関係性を築く、大切な抱っこの時間です。

気づいた今日が、いちばん早い日

最後に、もう一度パパへ。方法をここまで調べているこの時点で、築き始めはもう起きています。

「ぱぱ好き期」への種まきは、新生児期から始まっています。始めるなら、早いほうがいい。そして、気づいた今日が、いちばん早い日です。

今日の抱っこが、2歳、3歳の親子の絆に繋がります。

この記事のまとめ

  • パパだと泣くのは、嫌われたからではない。
    「眠ること」への不安を超える安心が、「育っていく途中」なだけ
  • 安心は関わりの積み重ねで作られる。
    笑顔・穏やかな声・名前・目を見る・すぐ応える・肯定の言葉を、日常から
  • 主担当はママ77.6%。いつも通りの毎日に、意識して新しい関わりをひとつ足すことから始まる
  • 新生児期は、誰が抱いても泣くからこそゼロから築ける好機。成長後は、ママのルーティンの「外せないこと」を見極めてから、自分の武器を模索する
  • 泣き止まない夜は、目的を「泣き止ませる」から「安心していいよ、と伝え続ける」
  • 始めるなら、早いほうがいい。気づいた今日が、いちばん早い日

ここまで調べて、準備を始めたあなたなら、できます。
今夜の抱っこから、築き始めてみてください。

※出典:MSDマニュアル家庭版「分離不安および人見知り」(2025年2月改訂)/厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章/ジョンソンベビー(JNTLコンシューマーヘルス株式会社)「育児や寝かしつけに関する意識調査」2023年(0〜2歳の子を持つ親722名対象)

Nicori編集室

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育児のしんどさも、じわっとくる楽しさも、どちらも知っている。その経験をもとに、深夜の調乳・夜泣き・眠れない夜に役立つ情報をまとめています。もっと、「育児が楽しい」と感じてもらいたくて。